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日本アプト▼自社開発のWMS、中小物流業者向けにレンタル開始 

2008年06月03日

 物流設備管理・パッケージソフトの開発・販売を行う日本アプト(本社=千葉市美浜区、中沢義和社長)は中小物流業者向けに、自社開発のWMS「WACS Lite」を安価な初期設定費用と月額利用料で提供する「L・S・S(ロジスティック・ソフトウェア・サービス)」を5月末より、開始した。
 同サービスはWeb対応で提供。同サービスの導入までにかかる初期設定費用(標準機能)は35万円、ソフト利用料金(標準機能)は月額10万円。パソコンから周辺機器までのレンタルにも対応し、たとえばパソコン1台・無線ハンディ端末1台・無線アクセスポイント1台をレンタルした場合でも、ソフト利用料込みで月額11万3750円と安価な価格で収まる設定となっている。※2年契約時の価格
 サービスのベースとなる「WACS Lite」は、オーダーピッキング、トータルピッキング双方に対応したパッケージソフト。カスタマイズ性能に優れた機能を有しており、運用環境・入荷作業・出荷作業の各項目に対応した運用パターンを設定していくことで、504通りに及ぶパターンから最適なシステムへと自動生成。さらに編集機能を活用することで、必要なデータ項目の名称や桁数、使用する単位(個単位・ケース単位・パレット単位の設定、複数単位の管理も可能)、商品管理コード種別などの画面設定ができ、ここでの編集内容もプログラム側に自動的に反映できるようになっている。
 帳票についてもレイアウトフリー機能を持たせ、各社別の柔軟な対応が図られるようになっている。
こうした優れたカスタマイズ機能があることで、導入期間はわずか5日で終わらせることができるという。
「物流事業者にとって、IT化は必須であるが、中小企業ではカスタマイズ込みで数千万円規模の投資はできない状況だ。そうしたなか、中小企業でも使ってもらえるような安価な価格に設定。ハードを含めたレンタル貸しにも対応し、SaaSを意識した提供方法で、物流業界に貢献できれば、と考えている」と中沢社長は述べる。
 3PL事業者、製造系などを対象にL・S・Sは、今年度中に30社、来年度中までに100社の導入を目標に掲げている。
●アパレル、製造、通販など幅広く導入実績を積み上げ
対象業種を選ばない仕組みに

 ネットワーク経由で「WACS Lite」を提供する本格的なSaaS(単一サーバによる複数ユーザへのサービス提供)も現在行っている実証確認後、投入予定。
 さらに「WACS Lite」が持つ、入出庫機能にとどまらず、設備を含めた倉庫制御などの機能まで拡充したパッケージソフトの倉庫制御システムの「WACS」についても、今年度中にSaaS型モデルに移行を図る方針だ。
 SaaS型モデルのサービスの多くが業種特化型なのに対し、L・S・Sはどの業種にも対応した作りとなっている。
 それは、サービスのベースとなる「WACS Lite」のカスタマイズ性能に裏打ちされたものだが、これまでの導入企業の業種をみてもわかる。
 「WACS Lite」の導入企業1号(2007年1月導入)となったアパレル業A社。ここでは約10万点が保管され、色物・サイズ別といったアパレル特有の少量多品種物流、返品物流への対応もきちんと図られている。導入前には大手SI企業によるシステムが導入されていたが、そのときと比べ、作業時間が大幅に減少した(半減)。
 その後、2007年5月には自動車部品メーカーB社、7月には通信販売業のC社へと導入。近日中にはさらに1社への導入を予定しているが、これをみてもわかるとおり導入業種はさまざま。導入の際のユーザ要望を徹底して取り込んだ結果、対応業種範囲が広い仕組みとなった。
 「当社では製造業及び制御系に力を入れていたこともあり、製造業の実績が多いのは確かだが、販売以降、幅広い分野に導入実績を積んできたこともあって対応業種を選ばない仕組みとなっている。製造業にとどまらず、業務拡張をめざす3PL事業者に最適な仕組みとなっている」と中沢社長も自信を持って話す。
 サービス機能も入出庫管理に加え、日々の倉庫管理で入力された売れ筋商品や在庫金額などの数値をデータベースとして、商品別在庫推移、取引先別実績一覧、商品別取扱業者一覧、商品別入出荷量推移、作業量推移、商品別出荷先トレースなど、さまざまなデータ分析もできるようになっており、グラフを活用したビジュアル化で表示することもできる。
 さらに分析データをもとに、適正在庫を把握するための手がかりを算出したり、繁忙期に合わせた人員配置計画やコスト管理などに役立てることもでき、効率的な倉庫運用を実現することもできるようになっている。
記事提供・月刊ロジスティクスIT・6月号記載
http://www.logi-it.jp/