日立物流▼2010年に売上高5000億円、新規分野拡大で達成目指す 
2008年11月19日【LNEWS(http://www.lnews.jp)】鈴木登夫・日立物流代表執行役社長は10月29日の中間期決算説明会で記者会見し、今後海外物流の強化や新規分野拡大などで2010年ビジョンに掲げた「2010年に売上高5000億円」を達成していく考えを明らかにした。2009年3月期中間決算が好調な業績だったため、これを追い風に国内に軸足を置いている受注活動を、海外も含めた新規分野にも拡大していく。
同社の2009年3月期中間決算は、売上高1808億7000万円、営業利益77億2700万円。上方修正するほどの好業績だが、鈴木社長は「今回は十分コストダウンが徹底され、成果が上がりこれ以上ネガティブな要因がないというところまで来た。
ただし今後の顧客の撤退はないと考えるが、自然減は起こり得ると警戒している」と、中間期の概況を披瀝した。同期は国内既存顧客からの売上が約50 億円低下しているが、これを新規案件や社内構造改革などでカバーした。その上で、新規分野への注力を既存顧客営業と並行して進める。
新規分野とはタカノフーズの子会社、旧タカノ物流サービスの子会社化に伴う日配食品分野の強化、チェコESA社のM&Aと欧州での共同受注の強化など。とくにM&Aは今後も継続していく考えで、「ビジョン達成のためにはあと600億円規模のM&Aが必要」(鈴木社長)という。
この上で現在商社が担っている海外物流機能を徐々に取り込み、海外調達から日本国内向け配送などの一括受注を強化したい考え。
また、日配食品分野への進出はタカノフーズ向けの継続受注、イオン九州XD物流センター建設を足がかりに、得意分野のうどん、納豆などの配送を強化したい考え。関山哲司副社長はこの点を「大体5億円超程度を日配食品分野が占めている。現在、日配食品のクロストーク物流センターの整備を検討中だ」として、注力していく姿勢を明らかにした。
さらに海外向けでは北米向けの材料輸出、タイ・インドネシア向け製品輸出入など7件を立ち上げ、欧州向けの製品配送、中国向け部材輸出の後続案件2件を今後立ち上げる。中間期業績が芳しくなかった北米の薄型テレビ向けは、下期に黒字転換を目指したものの叶わず、2009年度に黒字転換を目指す。北米向けは薄型テレビ事業が中心的ですぐには収益構造を変えられないため、今後北米の物流センター統廃合や人員削減などの合理化策を行う。
物流業界全体の足を引っ張っている燃油サーチャージの問題では、既存顧客140社が理解を示したほか390社と交渉中。今後全顧客に交渉範囲を拡大する。現在、軽油価格は値下げ基調に触れているが、現状で経営メリットはあまり期待できず、むしろ顧客からの値下げ圧力を警戒しているという。