施設の能力は高く、活用の方法はある − 12 
外資系のファンドは、当初「黒船」「敵だ」などと批判的な目で見られてきた。
しかし、物流企業の中には、「この不況で、ファンドがいなくなったとしても、大型・使いやすい物流施設は残る。物流インフラを整備してくれたと思えばいいのではないか」と冷徹に見る人もいる。
確かに、ファンドの施設は、大型で床荷重もある。天井高も高く、柱の間隔も広い。物流施設としての能力は高い。“物流インフラを整備してくれた”と思えば、使わないという手はない。
さらに、ファンドの施設の募集条件が緩やかになったことで、中小規模の物流企業でも利用できるようになった。
今まで、広すぎて手が出なかった企業でも、自社の使いやすい面積を手に入れることができるようになっている。
大企業が中心だった物流効率化提案が、中小の物流企業でも提案できる下地ができたことになる。
今後、ファンドが開発した大型物流施設を活用して、荷主のプラスになる集約提案を行っていけるかが、物流企業の生き残り策となる。
ファンドは敵か!?という議論にも、終止符が打たれるのではないか。