隠れた名人伝・・・・会社を変える人たち − 第12回 物流不動産のにぎやかな人たち
物流事業者や物流担当の人にしてみれば、物流は重要な仕事ですからそこに日々の喜怒哀楽があります。奥も幅も広い物流は、挨拶で「ご同業ですね」とはいえ、“私の仕事は極めて特殊で、あなたのとは似て非なるモノですよ”という火花が散ること極めて多いです。自社の物流に専門的な深みと経験を積み上げることは、大切なことではありますが、場合によっては凝り固まった柔軟性に欠ける意思決定も引き起こします。異業種では当然の物流業務範囲の広がりに、自社では考えもしなかったとして遅れを取ること、最近ではよく見られます。倉庫マンは預かりが大事で、商品の行く末をよく観察することなどなかったと言うほど、自身の立ち位置を頑固に捉えがちです。
果たしてその結果が、物流業界全体の地位低迷につながっているとは言えないでしょうか。生産販売は別、物流は物流の難しさと特殊性に特化した研究と研鑽だけで良しとしてきた事が、不必要なコスト競争や場面的な効率追究に明け暮れてきたように感じます。
製造販売流通サービスのすべての産業に物流が存在している以上、物流活動は重要な目的と見間違えてしまいますが、実のところは単なる手段に過ぎないのです。売るため、作るため、顧客へのサービスのために行う方法論として物流を捉えるなら、今までのやり方は常に変化すべきだし、従来の常識は常に疑われてしかるべきなのです。何もコストダウンが重要ではないと言うのでなく、「受益者負担」という名目でコスト転嫁をしてみたり、有料道路の無料化を政策に掲げられたりして、じつのところではコストはちっとも重要視されていないことに気づかねばなりません。
どこに配置するのか、どこから運ぶのか、どんな業務までを一連の物流活動として同時に行うのか、どんな情報システムが本来事業にとって必要な物流の情報なのか、・・・・・。
日々の仕事として考えたり、見直したりすることは否定につながるかも知れません。そんなことを進めるわけにはいかない、情実的にはそうでしょう。
正論、反論、合作論として、正反合というのが、進化の必須です。物流をしなければどうなるか。事業の目的とはどこにあるのか。物流はどうあれば最適なのか。ビジネスモデルとは、ビジネスをデザインすることから始まります。真っ白なキャンパスに筆を執る前に、自社と顧客、マーケットのつながりに物流は欠かせませんが、今までとは違う価値と行動を起こさせるには、傍観者というか他人の目が必要です。私たちイーソーコグループのコンサルタントは、常に顧客の目的を再定義します。物流は目的ではなく手段だからです。
何のために倉庫が必要ですか、どうして運ぶのですか。どこに配置するのが顧客とあなたにはふさわしいのでしょうね。そんな現状否定から始めているのです。あなたの会社改革は私たちがお受けしましょう。さあ、ご一緒に。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)