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神奈川倉庫協会▼横浜港・大黒埠頭地域で首都圏向け共配を実施 

2010年05月18日

  【物流ウィークリーhttp://www.weekly-net.co.jp/】神奈川倉庫協会(小此木歌藏会長)はこのほど、横浜港の大黒埠頭地域において、複数の倉庫業者による首都圏への共同配送を開始する。
 今、なぜ共同配送なのか。
 荷役と配送は低収受になってきており、1社で負担することが限界にきている。他地域との競争力強化や、荷主主導で共同配送が進んでいる現状から、倉庫事業者が先取りして実施していく狙いだ。
 今回の共同配送では、配送品質の向上とコスト競争力の強化、物流効率化によるCO2削減、輸出入コンテナ貨物の横浜港における倉庫施設でのバン詰・出バンの取り扱い拡大を目的としている。スタートは5月中旬からで、倉庫会社20社で月間500トンの共同配送が決まっており、今後は40社で月間1000トンの参加を目指す。
 具体的にはまず、大黒埠頭に集積している各倉庫会社からトラックで集荷し、既存の共同配送業者の集配センターでルート別・車別に仕分けと積み込みを行い、共同配送で首都圏の卸業者、問屋、量販店、工場などへ運ぶ。
 対象は、各倉庫事業者の取り扱っている食品などの貨物で、将来的には協同組合を起ち上げ、新たなクロスドック上屋に集約一元化したいという。
 配送を担当するのは参加する倉庫事業者2社の子会社である運送会社。現在、トラック100台が走っており、集配センターから固定ドライバーによる直送体制をとる。
 積み替え回数が1回で済み、貨物の破損・汚損のリスクを減少させる。同じ納入先への一括配送などトラックの積載・運行効率が高まり、運賃コストの競争力を強化させる。また、100台が毎日配送する前提で試算すると、年間約30万トンのCO2が削減できるとしている。
 帰り荷では輸出入貨物の輸送も可能で、輸出予定貨物の集荷など、荷主への魅力あるサービスで、横浜港全体の貨物取扱量の増加に寄与する構想だ。
 荷主企業の共同配送とは違い、倉庫会社という物流の同業者同士の共同配送は、実現までには難しい部分もあった。団結して新たな道を踏み出した神奈川倉庫協会の、今後の動向が注目される。
http://www.weekly-net.co.jp/warehouse/post-5045.php