ライオン流通サービス▼小佐野社長 「トップレベル目指す」 
2010年07月02日 【物流ウィークリーhttp://www.weekly-net.co.jp/】ライオン流通サービスの15代目社長に今年1月に就任した小佐野路久氏は、1974年に親会社の生産部門に入社し、以来、生産技術の革新と工場の効率化、建設などを担当。
物流面の知見としては、「各工場に併設されている保管センターはずっと近くで見てきた。工場で製造された商品がスムーズにサプライチェーンに乗るように効率化活動にも携わってきた。物流部門に来ても違和感はない」と話す。
同社の昨年度の売り上げは約150億円。商品はコンパクト化しており、例えば洗濯洗剤なら粉から液体に移行。今年第1四半期では液55対粉45と逆転した。物流単価指数は、粉を100とすると液体は50ー60程度。「物流も省エネの方向にあり、日用雑貨品を扱う物流事業は筋肉質で少数精鋭体制にしていくことが必須」と説明する。
また、20か所の物流拠点を統括するメーカー物流管理会社として、「物流はSCMの一部。荷主に代わって時代の変化に合った運営・管理・提案し、コストセンターとしての機能を最大限に発揮することが使命」と言う。
さらに、「120以上の事業者と連携し、1000人を超える規模の力を借りて運営している。協力事業者の方々と共存共栄が第一」とも語る。パートナー事業者とは「強化すべき軸を、物流品質・コスト・商品供給力・安全・環境の『QCDSE』に置く」ことを共有し、相互の競争力向上を図っている。
展望として、「2014年までに業界でトップレベルになる」ことを目指し、自社のスリム化、若手の物流プロ育成と体制若返りを促進、これを事業者にも示していく方針。
具体的には、組織機能強化と簡素化、人材育成として親社SCM部門との交流、物流技術管理士の増員、eラーニング自習システム導入による基本マネジメント力の強化をスタートする。「最低でも毎年1人は物流技術管理士を増やしたい」。
また、技術力向上として、現在4拠点に導入している無線フォークリフトシステム(WOS)について、「倉庫規模や機能にマッチした進化版を開発し、来年以降に主要流通センターへの展開を視野に準備を進めたい」。
同社は08年から、QCDSEの機能をまとめた物流サービス価値指標を設定し、各事業者の優位性(強み)に関するデータを蓄積。これを「協力事業者間へ展開し、事業者同士でもレベル向上につなげてもらいたい」とする。年2回開いている物流安全品質向上委員会でも、重大事故の撲滅と現場情報の適切なフィードバックによる業務改善のスピードアップを呼びかけ、「現場のクレームをしっかり捉え、確実に解決していくことが効率化のポイント」と話す。
目標として「若さみなぎる活気ある物流管理会社を目指し、今年は飛躍への仕込みの年としたい」。そして「物流現場の方に今まで以上に製品を良く知って愛して頂きたい。それが商品を大事に扱い、物流品質の向上にもつながる」と語る。
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