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経団連▼「アジアにおける物流先端都市」構想 

2010年12月16日

【LNEWS(http://www.lnews.jp)】
日本経済団体連合会の米倉会長は12月6日、グローバル化が進展する中で、日本経済が持続的な成長を遂げていくには国際競争力の強化が不可欠とし、具体的プロジェクト案として「サンライズ・レポート」を発表した。
プロジェクトの一つに「アジアにおける物流先端都市」構想を掲げた。
そのコンセプトは、日本およびアジア各地に点在するサービス・パーツや商品の在庫を一括管理する拠点をアジアに近い地方都市に構築する。効率的で低炭素な物流インフラの整備および輸出入に関するシステムの連携等により、次世代のアジアの物流拠点とするとうもの。
アジア経済の成長に伴い、日本メーカーのアジア各国での完成品販売が増加し、修理・交換等のアフターサービス体制の構築も必要となっている。
こうした課題に対応したアジア向けの物流先端拠点の構築を通じて、アジアにおける物流拠点化による都市の国際化推進、雇用拡大を図るとともに、地元企業におけるアジアを対象にしたビジネスチャンスの拡大や自動搬送装置などの導入による低炭素化の実現などを目指す。
プロジェクトでは、サービス・パーツや医薬品など、カスタマーサービスの観点から迅速な配送が必要な BtoB 商品を中心に、日本と東南アジアを対象エリアとする次世代物流拠点を整備する。
さらに、ASEAN向けの新型インフルエンザ対策薬品等の備蓄基地、日本の国際援助物資等の備蓄基地等の設置も検討する。
このため、港湾~物流倉庫間、物流倉庫~航空機間の搬送の自動化や現在のFTZ(Free Trade Zone:自由貿易地域)の港湾、空港への拡張、優遇税制・通関の簡素化、海運輸送によるFTZ物流センターへの輸送と各種港湾申請書類のシステム化・輸出入システムとの連携を整備する。
一方で、課題として、保税上屋への税関職員の派出(直接配置)、貨物(ULD(Unit Load Device)内蔵貨物)確認の簡素化、航空機予備部品使用に関する手続の簡略化、手数料の低減・撤廃などの規制緩和が必要としている。