物流不動産ニュース

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15分の雑用集中 − 第8回 物流不動産営業12の心得

 組織は価値ある成果を生むために組み立てられ、要員の補充を繰り返してきた。優れた人材が優れた成果を生むだろうという期待が大きいからである。優秀な成績の人材が組織に加わることで、さらに優れた成果を生み出すだろうというのは幻想のひとつに過ぎない。
 組織の文化と価値観が個人の成長を促し、優れた人材に育て上げて成果を生むのである。
成果は20%の人材と時間とエネルギーで十分なのだ。残りは何か。余剰であり、隙間であり、雑用である。
 優れた人材は雑用に能力を発揮するが、雑用は成果を生まない。

 問合せ、資料つくり、報告、相談、意向の確認、会議という名の時間つぶしは女神には不要だ。価値は組織の外からもたらせなければ成果にならない。 組織を回すには僅かな雑用が許されるが、実際には一日のほとんどが雑用で終わる。明日もまた雑用から始まり、雑用を残して終わる。疲弊と不安、不満のほと んどが、今日を上手く過ごせなかった苛立ちから生まれるように、雑用をどのようにこなしていくかが大事なのだ。

 ビジネスの1時間ごとに雑用タイムを作るべきだ。チャイムと同時に本来不要の雑用から片付けてゆく習慣を身に付けなければならない。15分間でどれだけの雑用がこなせるか。

 人は3分の歌に涙を流し、スピーチに体を震わせる。3分の情報収集で一生を変える決断が行われ、最低限の食事もエネルギーの補充も可能だ。たった 3分間の集中ができるなら、15分で何事ができないというのか。今日の雑用を毎時間のチャイムと共に始めるなら、人生は十分に長いし、成し遂げることは一 層膨れ上がる。本当に必要で価値ある、そして成果に結びつく思考や作業、手順や働きかけを雑用にまぎれて行ってはならない。
 耳をふさぎ、電話を外し、視界から外すことで15分の時間はまぎれもない金脈になる。

 仕事だと思っているほとんどの作業は雑用であり、15分で片付くものだが、そこにとらわれているなら、いまだ未熟と知らなければならない。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵)