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倉庫大手▼増収増益示すも不動産が伸び悩む 

2011年06月13日

 倉庫業界大手各社の2011年3月期決算が出揃い、昨年度1年間の経営環境を巡る評価が固まった。
 端的に言えば、物流事業の堅調と不動産事業の停滞。理由はそれぞれ、中国に代表される新興国経済の好調に伴う輸出増、需給緩和に根ざした空室増加・賃料下落と設計施工需要の減少、だ。
 大手3社の決算概要(売上高/経常利益/純利益)は下記の通り。
 
 ・三菱倉庫:175,879(18.6%)/13,688(18.9%)/6,973(14.2%)
 ・住友倉庫:130,377(7.2%)/10,465(24.1%)/4,372(42.5%)
 ・三井倉庫:96,766(9.1%)/4,772(0.8%)/2,534(36.3%)
 単位は百万円でカッコ内は前年同期比。三菱倉庫は富士物流子会社化との増収要因が存在する
 
 東日本大震災の影響に関しては「先行き不透明になった」(三菱倉庫)との指摘があり、復興特需がらみの荷動きは期待されるものの、倉庫業界にとっても新年度経営における懸念材料となっている。今後の施策では、「海外拠点の拡充と保有不動産の最適活用」(住友不動産)といった海外市場重視型が支配的だ。