日本再生に向けての政策推進とは − 第6回 クライシスマネジメントと物流対策
流れて無くなった物が17兆円もあるから、作り直しや工事をしなくてはならないので、これからの政策は土木予算の確保である。復興予算とは名前を変えた公共投資であり、民主党が大嫌いだった「人よりコンクリート」なのだ。
ただ、失われた街にはコンクリートが必要だから、2.5次補正予算でがれき処理、3次補正予算で土木工事と雇用確保の助成金が突出してくるだろう。
それでも足りないから、改正PFI法(民間投資で公共資本を充実させる)がPPPというコンセプトを打ち出して、施設は自治体、運営は民間企業という第3セクターの逆さ版が登場する。
工場を失った社長さんにさらにローンの度胸はないから、町営、市営の共同工場を作っていく話がどんどん出てくる。東北3県は日本の縮図で、産業は多岐に わたるし学校も病院も多かった。都市より高齢化が進んできるので、再生産業の雇用は若い人より高齢者を集めてこなければならない。単純労働、標準業務、シ ステム化によるカンタン工場が、ロボット工場が話題になるだろう。
商業流通も人口減とはいえ必要だから、大規模小売店がでしゃばって来るから、物流もセンターも再生させなければならない。ゼロからビジネスモデルを作り出せる格好の土俵が生まれつつある。
自動車、電子部品は業界で復活させるだろうが、次の産業としての観光、医療、教育、文化発信はみんなで考えなければならない。新成長戦略の青写真に従わなければ、助成も補助も規制緩和もないから、その線で全国がモデル都市を目指すだろう。
新しいホテルや滞在施設、文化や観光を滞在日数を増やすためのコンセプトで、かつてのリゾート開発が進む。対象は日本人と外国人、30:70位の逆転構造であろう。
英語とハングル、中国各地言語で地図から作る必要がある。自家用ジェットやヘリコプター専用空港も必要か、フェリー乗り場も新設、北海道スキーと連動した、東北新新幹線がアイデアとしては秀逸だろう。
沸騰アジアのお客さんを受け入れる産業、スイスが観光、ベガスがギャンブル、京都が文化、エジプトが考古なら、全部集めた集積を東北に作り出すことができるだろう。
仙台で盛岡で八戸で、新産業のモデル情報を集める時期だ。営業所を作る場所は、顧客が居るところか、顧客が集まってくるところか、どちらが優位化明らかなのに、まだ動かないのは怠慢と言われても仕方ない。
日本は再生というお題目で、大儀で、国際化をさらに進めようとしているのだ。
(イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント 花房 陵)