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札幌通運▼事業所内保育施設を開園 

2012年04月23日

【物流ウィークリーhttp://www.weekly-net.co.jp/
 ロジネットジャパン(木村輝美社長、札幌市中央区)は、子会社の札幌通運(同)に事業所内保育施設「さくらスマイル保育園」を開設し、3月9日に施設の開園式と内覧会を行った。
 開園式で木村社長は「運送業界は男性中心のイメージが強いが、我が社では以前から男女雇用機会均等を図っており、女性管理者も多数活躍している。札通では二十数年前から大卒の女性従業員を採用しており、現在は女性が25%を占めている。結婚や出産をしても安心して働ける施設の設置を検討していた」とあいさつ。
 同園の特徴について、「立地に優れ、本社に近接し、大通公園にも近く、園児らの遊び場にも困らない。定員に余裕がある場合は、一般の利用も検討しており、地域の待機園児の解消にも貢献したい」と説明し、「今後も運送事業を通じて、皆様のお役に立ちたい」と述べた。
 札通は同園の設置を通じて6日付で、札幌市の「ワーク・ライフ・バランス認証企業」の認定制度で最もレベルの高い「ステップ3」に認められ、開園式で同市子ども未来局の大谷内則夫局長から「認定証」と「表彰状」が贈呈された。
 大谷内局長は「事業内保育施設の設置は、ワーク・ライフ・バランスの理念と雇用機会均等を追求する素晴らしい取り組み。2500人近くいる待機園児の解消にもつながり、市長が打ち出している重点施策でもある」と感謝の言葉を述べ、「市内の様々な企業にも同様の取り組みを進めてもらい、札幌が『子育てしながら働きやすい街』『子供の笑顔が市民みんなを結ぶ街』となるよう期待している」と話した。
 同園の運営開始は3月12日から。定員は19人だが、当初は2人の園児の使用が決まっている。札通管理本部人事課厚生係の伊藤美幸係長は「現在、育児休暇中の従業員も何人か在籍しており、これらの人による活用も見込まれている」と説明する。
 物流企業における保育園や託児所設置の動きは全国に広がっているが、北海道ではこのような事例は非常に少ないのが実態だ。
 札幌市に限れば、「全業種で事業所内保育所の設置は50程度。多くが病院やパチンコ店などで、このうち物流関係企業は札通が初めて」(子ども未来局)という。また、「『ワーク・ライフ・バランス認証』も建設業などでの申請は多いが、物流企業はほとんどない」(同)という。
 保育園や託児所を設けるなど「女性が働きやすい環境」や「ワーク・ライフ・バランスが追求できる環境」を整えるのは、業界の大きな課題となっている「労働者確保」への有効な対策だ。
 一企業では、設置や運営の費用がまかなえないと思われるかもしれないが、同市では「事業所内保育施設設置促進事業」として昨年9月から設置費用を助成する施策を始めており、「厚労省の助成金を活用すれば、企業の負担が25%で済む」(同)ようになっている。札通の今回の保育園設置は、同制度適用の第一号でもある。
 これまで物流企業での保育園設置の取り組みは、従業員のみならず地域住民からも好評を得ており、優秀な労働者を確保するために先手を打っているだけではなく、企業イメージの向上にもつながっている。
 中小企業が単独で実施するには難しいが、協組や産業団地など近隣の事業者が協力することで、このような施設を設置・運営することは不可能ではないはずだ。