物流不動産ニュース

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ラサール▼物流不動産投資は安定したインカム 

2012年08月01日

 【LNEWS(http://www.lnews.jp)】
 ラサールインベストメントマネージメントは7月27日、「2012年上半期のグローバル不動産投資戦略」について発表した。
 アジア・パシフィック地域投資戦略リサーチ部のポール・ゲスト ヘッドがグローバル不動産市場2012年上半期を同社日本法人の中嶋康雄CEOが国内物流不動産について、説明した。
 ポール・ゲスト ヘッドはオフィス、物流、商業、住宅についての需要と供給をこの半年にわたって解説。欧州経済の不安定などから、各国の経済成長予測の下方修正が続いていたが、ようやく一巡。北米などでは、経済が復調とのことで、GDPは金融危機前の水準を上回り、カナダ・メキシコでは金融危機後の雇用の減少分を回復している。
 米国の空室率は全体に低下。賃料の回復も遅れている。物流では、空室率が2002年時8%程度だったものが、2012年予測では14%となっている。賃料でも物流は停滞中だ。
 グローバルでの今後の投資戦略として、「成長投資戦略」を挙げ、エンドユーザーの需要を満たす不動産開発が魅力的であるとし、例として日本の近代的物流施設や住宅を挙げている。
 なお、同社の投資物件の内、グローバルでの物流は約2割程度。日本での割合は約5割と高い。
 次いで中嶋康雄CEOが日本で人気の高い物流不動産投資について説明。人気の理由を[安定したインカム(収入)」、「タイトな不動産需給」、「キャピタルバリュー(価格)の上昇」にあるとした。
 不動産の需給面では、賃貸用の大型倉庫は全体の2%に過ぎず、潜在的な移転需要が大きいとしている。延床面積300坪未満の倉庫は全体の56%、旧耐震構造物件が43%ということからも一目瞭然。ただ、需要は急激ではなく、徐々に移転するという穏やかな成長曲線を描く見通しだ。
 予測では、2015年にかけて東京近郊の賃料は5%程度の上昇が見込まれる都市、オーナーにとって賃料増額交渉がしやすくなる見込みとしている。
 中嶋CEOは最後に、投資戦略はまとめると4つになるとし、「安定したコア不動産に投資」「成長地域(アジアなど)に投資」「資本のギャップ(資本がタイトになったとき)」「不動産ストック(世の中にないものを提供)」を挙げた。