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キヤノン、エプソン▼倉庫の共同化を拡大 

2012年08月14日

 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
 エプソン販売(本社・東京、平野精一社長)とキヤノンマーケティングジャパン(同、川崎正己社長)はこのほど、日本通運(同、渡辺健二社長)の協力により、配送センターの共同化を拡大。物流効率化とCO2(二酸化炭素)排出削減を図る。
日通が在庫など管理
 同一建屋で両社の商品を管理し、倉庫内作業を共同化。競合する同業種メーカーによる保管施設の共同化は、他に例を見ない試みという。
 日通は、従来からそれぞれの会社の倉庫からの集荷と小売店への搬入、倉庫内オペレーション、管理システムの提供などを担っていた。
 保管施設の統合により「物流の効率化に加え、荷役人員、システムコストが下げられ、両者にメリットがある」(日通)。
 エプソン販売とキヤノンマーケティングジャパンは、倉庫共同化を仙台地区で昨年9月から、札幌地区でことし1月から先行実施。コスト、CO2削減などについて一定の効果が得られたため、8月から福岡地区でも開始した。
さらなる拡大の計画はなし
 「施設は共同化した一方、競合企業でもあるため保管スペースはきちんと分け、在庫状況などの情報を含めたセキュリティー管理は日通に対応いただいている」(エプソン販売)。
 現時点ではさらなる拡大の計画はない。「東京など大都市圏では、自社のみで倉庫を保有しても効率的な運用がなされている」(同)。
 両社は家電量販店向け配送については、平成21年から共同化。年間約25%のCO2排出量削減効果を得ている。
 今回の取り組みは、ビジネス機器の配送、レーザープリンターなどの使用済みトナーカートリッジ回収の共同化も見据えたもの。他の情報機器メーカーや企業にも共同化を呼び掛け、一層の物流効率化を目指す方針。(村山 みのり)