日立物流▼医薬品で大型施設次々 
2012年09月03日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp/)】
日立物流(本社・東京、鈴木登夫社長)はことしに入り、相次いで医薬品専用物流センターを開設している。6月の埼玉に続き、今月には九州のセンターを稼働。いずれも延べ床面積が2万平方メートルを超え、医薬品物流拡大に向けた環境を整えている。
2日に稼働したのは佐賀県鳥栖市の「九州メディカル物流センター」。敷地面積約1万5600平方メートル。3階建て、延べ床面積約2万2900平方メートル。プロロジスから施設を賃借する。
九州で医薬品を扱う施設はあったが、延べ床面積が2万平方メートルを超す大型施設は初めて。2月時点で決まっていた久光製薬に加え、沢井製薬の保管や配送業務も担う。
6月には埼玉県で施設稼働
日立物流は平成18年稼働の「関西メディカル物流センター」など、医薬品を扱う施設を全国で展開。ことし6月には、埼玉県久喜市で延べ床面積2万9000平方メートルを超える「東日本MDC(メディカルディストリビューションセンター)も新設。医薬品物流の重要拠点となっている。
同社は「安定的な需要が見込める」とし、同一業界の複数荷主に共同保管、共同配送などを提案する「業界プラットフォーム事業」で医薬品を重要な分野の一つと位置付ける。
医薬品専用センターをめぐってはトラック事業者に加え、大手倉庫事業者も大型施設の建設を開始。来年以降には、延べ床面積2万平方メートル級のセンターが相次いで完成する予定だ。
日立物流の全国での施設整備には、医薬品需要の動向や他社との受注競争を見据えた姿勢がうかがえる。(小林 孝博)