税制要望が本格化▼物流業界 消費増税関連の要望も 
2012年09月18日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
物流の業界団体が平成25年度税制改正に関する要望活動を活発化させている。経済が本格回復に至らない現状を踏まえ、企業負担を少しでも減らすため各団体とも積極的に取り組む構えだ。
トラック 6項目を重点要望
全日本トラック協会(星野良三会長)は8月22日、民主党の国土交通部門会議のヒアリングに参加。25年度税制改正に関し6項目の重点項目を求めた。
24年度税制改正で抜本的見直しが見送られた自動車関係諸税の簡素化・軽減を引き続き要望。21年4月に目的税から普通税に移行した軽油引取税について「道路整備目的という課税根拠が失われた」とし、「少なくとも旧暫定税率の廃止」を要請した。自動車取得税や自動車重量税の廃止も求めた。
新たに盛り込まれたのは、消費増税対策やフェリー料金への補助・助成の創設など。消費増税に対しては、スムーズな運賃転嫁が図られるよう対策強化を要望した。
全ト協は経団連や日本商工会議所にも、税制改正実現へ協力を要請。今後も積極的に要望活動を展開する方針。
フェリー・内航 燃料高へ対応求め
日本長距離フェリー協会(鈴木修会長)は7月、日本旅客船協会と共に国土交通省へ要望項目を提示。船舶の燃料高騰に対応して、税制上の新たな特例措置創設を求めた。
内航船業者の新造船導入を後押しするため、来年3月末で期限切れを迎える環境に配慮した船舶に限り初年度の減価償却費を上乗せする制度の延長を要望。公共交通機関およびモーダルシフトの受け皿としての役割を踏まえ、消費税値上げの免除または減額も訴えていく。
倉庫 特例措置の延長を
日本倉庫協会(岡本哲郎会長)は、倉庫業に対する税制上の特例措置の期限が来年3月末で切れることから、措置の延長・拡大を要請の柱とする。
期限切れを迎えるのは「物流総合効率化法」の税制特例。同法は、物流のコスト削減や環境負荷低減の視点から、倉庫施設の整備を推進している。倉庫には土地取得や建物建設など多額の投資が必要で、回収に長期間を要する。そのため、同法の認定を受けた倉庫に限り税制特例の支援措置がある。
特例措置の適用拡大も視野に入れる。これまで、複数の倉庫事業者が新築倉庫を共同で使う場合は適用外だった。こうした共同で使用する倉庫への適用も要望していく。(藤本 裕子)