日タ・バース料金▼引下げ継続求める声多く 
2012年12月19日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
減収でも増益――。トラック上場企業の平成24年4~9月期は、収益力強化の取り組みの成果がうかがわれる内容だった。とはいえ、世界経済の急速な落ち込みなど経営環境は一層厳しさを増している。
そんな中、特積み各社にとって気になるのが都内の4トラックターミナルのバース料金。運営会社の日本自動車ターミナル(本社・東京、村山寛司社長)による利用者支援策で、平成21年8月以降、「リーマン・ショックや東日本大震災などの突発的かつ激甚な影響に配慮」(日タ)する形で、バース料金の6%引き下げが時限措置としてここ数年実施されてきた。
当面、今年度限りの措置
一方で、現在のバース料金の引き下げは、こうした経過を経て、当面、今年度限りの措置として実施されている。ある特積みは「トラック企業はまだまだ低収益。バース料金の負担は現状でも決して軽くない」。別の特積みは「料金引き下げ分は固定費を考える上ですでに前提となっている。打ち切られれば、値上げ同様のインパクトがある」とする。
折からの軽油高騰、電気料金の上昇に加え、安全・環境といったコンプライアンス(法令順守)面のコストが増加。実運送からの撤退を打ち出す区域事業者も出てきた。
装置産業の特積みにとってはなおさら、固定費上昇の影響は大きい。トラックターミナルの利用者を会員に多く抱える日本路線トラック連盟(南義弘会長)は「入居事業者の経営環境は依然として厳しく、(バース料金について)日本自動車ターミナルには賢明な判断をお願いしたい」としている。(矢田 健一郎)