日立物流▼売上高6000億円目標、今期はM&Aも再開 
2013年06月04日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
日立物流(本社・東京、鈴木登夫社長)はM&A(企業の合併・買収)戦略を再開する。平成25年3月期は3期ぶりに減収減益となる中、新たな企業の買収で売上高300億円の増収を計画。新規案件の獲得、低迷していた海外事業の回復も予想しており、平成26年3月期の連結売上高は6000億円に達する見込みだ。
前期の売上高は5475億1700万円(前期比1.2%減)と横ばいで推移。営業利益は195億3500万円(同15.5%減)、経常利益は195億6800万円(同14.6%減)で、前期に比べそれぞれ大幅減となった。
業績が伸び悩んだのは、国際物流が不調だったため。前期の海外売上高は24年3月期比103%だったのに対し、営業利益は同41%にとどまった。
中国での自動車販売が落ち込み、主力のフォワーディング事業が不振に。「日本発着の貨物量が25~30%ほど減り」(中谷康夫副社長)、2年前に買収したバンテックの業績も伸び悩んだ。
アジアで新規に立ち上げた案件が苦戦したことも影響した。
海外業績もおととし並みに
一方、今年度はM&Aや海外事業の回復などを軸に過去最高の業績を見込む。M&Aでは、3月に行った日立電線の物流子会社「日立電線ロジテック」に加え、新たな案件が進行中。買収先は明らかにしなかったが、「(電線ロジ以外に)あと2社加われば300億円以上の増収になる」(鈴木社長)。
さらに不振だった海外事業も、業績が好調だったおととし並みに回復すると予測。これまでの受注案件も「仕掛けが花開く」(同)と見ており、新たに獲得する案件と合わせ、売上高は525億円増えるとした。
このほか、グループ企業の拠点統廃合によるコスト削減も進め、今年度は売上高6000億円(前期比9.6%増)、営業利益265億円(同35.7%増)の達成を目指す。(小林 孝博)