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運輸業界▼ドライバーにフォークリフトの免許 

2013年10月01日

【物流ウィークリーhttp://www.weekly-net.co.jp/
生き残りの手段として、ドライバーにフォークリフトの免許を取得させて荷受け先
での荷下ろし作業などのサービスを手がけている運送事業者もいる。荷主の倉庫内
での人件費削減に貢献することで、運賃の値下げ防止やドライバーの荷待ち時間を
少しでも軽減できるケースもある。各運送事業者にフォークリフト免許取得の
必要性について聞いてみた。
大阪市内で10台の車両を保有する運送会社社長は「免許を取得しているのは
5人ほど。会社で取りに行かせることはしていない。免許取得の必要性は感じて
いない」と話す。同社は、設備機械関係の配送を手掛けており、契約では荷下ろしは
すべて取引先が行うようになっているが、実際はフォークリフトを使用して
荷下ろしをしてほしいという依頼に困るケースもあるという。
同社長は、「サービスの一環として、できる限り対応はしているが、
あくまで顧客に荷物を届けるのが仕事。当たり前にならないように今後は
対応をしていく」と語る。
大阪府東大阪市で50台の車両を保有している運送会社社長は「フォークリフトの
免許は必須資格になっている」という。家電関係のセンター輸送を手掛けており、
半数のドライバーが免許を取得している。荷受け先ではフォークリフトを
使用して荷物を下ろすことが必須で、免許がないドライバーが行くと、
荷受け先が荷物を下ろすのを待つことによる長時間の荷待ち時間などの
問題を抱えてしまう。同社長は「労働時間などのコンプライアンスを考え、
少しでも早く荷下ろしをするためには必要な資格だと感じている」と話す。
 また、全従業員に免許の取得を考えているが、1トン以上のリフトを
運転するには4日間の講習を受ける必要があり、「時間的に取りに行かせるのが
難しい。そのために採用の面接時には免許を取得している人材を優先的に
採用している」と語る。「必要な資格だが、仕事の効率を上げるだけ
の資格」と話す。
自社倉庫を保有してピッキング作業や宅配サービスなどを手掛けている
運送会社社長は「フォークリフトの免許は必要。配送している荷物の形態にも
よるが、自社ではなければ仕事にならない」と話す。同社は、倉庫などでの
荷下ろし作業が多く、出入り先の業者にもリフトの免許を持っている
ドライバーに来てほしいという要望が増えてきているという。
また、免許を取得していなければ荷待ち時間に大きな差が生じていることも
実感していることから同社長は「当社では必ず時間を取り、免許を取らせている。
コストは掛かるが必要な経費と考えている」と説明する。
一方で、「過剰サービスすると、従来、プラスでもらえていたおカネが
もらえなくなってしまう。ドライバーの負担も増えるだけでなく、
商品破損事故などが起これば荷主ともめる原因になるので、
自社では免許は取らせていない」という意見もあった。