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秋元運輸倉庫▼「共に学び、同じ価値観を」安全講習会を開催 

2010年06月19日

 秋元運輸倉庫(本社・東京、荒牧敏夫社長)は6月15日、都内で安全講習会を開催。協力会社約30社が参加した。
 今まで、不定期に本社で行っていた安全講習会。それを昨年から外の会場を借りて行っている。協力会社同士のコミュニケーションと、安全への意識付け、問題の共有化を図るのが目的だ。
会場全体
 あいさつでは、秋元伸介専務が「荷主さんからの安全の要望は年々高くなっている。皆さんと一緒に学んでいって、同じ価値観を持って、一緒にレベルを上げていきたい。特に、事故に関しては、同じような事故が起こってしまっている。それを少しでも減らしていきたい」と語った。
秋元伸介専務
 その後、小林裕幸次長から、事故の事例を紹介。トラックから荷物が落下した事例や、袋が破けた状態で納品した事例などを紹介。「運転では、十分な車間距離と、急発進・急ブレーキなどの運転がないようにすることで、事故は防げる。重い荷物は動かないという思い込みも危ない」とした。
 講習会では、落下事故が起こったドライブレコーダーの映像も紹介。実際に事故の映像を見た参加者からは「おぉ」という声が漏れていた。
 また、袋が破れて納品した事例では、「先方の担当者が大丈夫と言ったために、当社に連絡がなかった。しかし、荷主さんから連絡が来て、問題になった」(小林次長)という。同社では、袋が破れた場合のマニュアルを作成し、その徹底を依頼した。
社員間のコミュニケーションが何より大事
花房陵主席コンサルタント
 イーソーコ総合研究所の花房陵主席コンサルタントは安全について講演。物流事故が起こる原因と予防対策について説明した
 事故については「初めての事故というのはありえない。原因やそのとき取った行動を分析すれば、一度は過去に同じような事故が起こっている」と指摘した。さらに、事故の対応策としてとられているマニュアルの作成や注意は「それだけでは意味がない」とばっさり。
 人間はミスを起こすのが基本。特に「ミスを起こした後は、しょんぼりしたり、緊張したりする。そこで怒っても、注意しても、また失敗する」という。
 そこで失敗しないためには、周りの“何気ない言葉”が大事になっていく。“荷物への紐かけ大丈夫”“袋が破けた場合は、この前、渡したマニュアルを見てね”。マニュアルに、社員間の“コミュニケーション”が付け加わるだけで、事故は飛躍的に未然に防ぐことが可能になる。
 事故の予防対策の基本は、社員間のコミュニケーション。それを見落として、マニュアルや事故を起こした担当者への叱責(しっせき)だけでは、「また同じ原因で事故を起こし、同じ対策の始末書を書くことになるだけ」(花房コンサルタント)。
 安全講習会で、協力会社同士が集まり、コミュニケーションを取ることも「安全の向上に役に立つ。今後もコミュニケーションを取っていってもらいたい」とした。
 続いて、イーソーコの早﨑幸太郎IT部係長が同社の「物流営業支援システム(LSS)」を説明。秋元運輸倉庫の関係者しか見られない「クローズドネットワーク」を作ることができ、会社間のコミュニケーションを取ることができるとした。
 今後は、秋元運輸倉庫と連動したLSSの販売体制をとっていくという。