物流コンフィデンシャル▼「製造物責任」はごめん 
2012年10月18日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
流通加工、決済・金融、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)……。トラック事業者の先進的な取り組みはさまざまだが、「生産請負」もその一つ。メーカーの生産の一部を事業者が担い、物流をより効率的にする。
自動車産業では以前から、物流事業者が工場の中まで入り込み、部品の組み立て作業も行う。この仕事が、住宅設備や日用品、家電品などの物流にも広がりを見せている。
ただここで要注意なのは、製品により消費者の身に事故が起きた時、誰が責任を持つか。メーカーは生産の一部を担う事業者にも責任を負わせたがる。「〝当社はあくまでお手伝い〟と責任は一切負わない契約」と物流大手役員。裁判の賠償費用は莫大だからだ。
ことし4月、せっけんでアレルギー被害に遭った人々が製造元に70億円の賠償を求めた。海外進出が増えるいま、訴訟社会の欧米で同様の事態は絶対に避けたい。製品の責任をめぐる交渉では、分厚い契約書にひるまない知識と交渉力を。