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平成24年度補正予算案▼トラック代替に15億円 

2013年02月04日

 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
環境対応車、普及後押し 大型ディーゼルも対象に
 平成24年度補正予算案が11日、閣議決定された。国土交通省関係予算の総額は1兆8801億円で、補正としては過去最大級の規模になる。物流関連では、環境対応車の普及促進に約32億円を計上。うち15億円を環境性能に優れた大型ディーゼル車などの導入補助に充て、トラック事業者の環境対策と旧型車の代替を進める。
   
 今回の補正予算案は、安倍新政権が掲げる日本経済再生に向けた「緊急経済対策」を受けたもの。
 政府は1~3月分の今年度補正予算と来年度予算を合わせた、いわゆる「15カ月予算」を編成。緊急性の高い復興・防災対策や今後成長の見込める分野の予算を上積みし、景気の下支えとデフレからの脱却を図る。
 補正予算案は今月召集される通常国会に提出され、早ければ来月にも成立する見通し。
自動車関連総額は32億円に
 物流関連の予算で目玉となるのが、事業者が環境性能の高い車両を導入する際に一部費用の補助などを行う事業。総額は32億2600万円。うち15億円を車両代替補助に充て、業界の経済活性化につなげる。
 環境対応車の補助はこれまでもあったが、対象がCNG(圧縮天然ガス)とハイブリッドに限られていた。国交省は「大型のCNGトラックなどは市販されていない」(貨物課)ことを理由に、対象を大型ディーゼル車にまで広げる考え。
 大型ディーゼル車の補助対象については「昨年のエコカー補助金よりも厳しい条件にする」(同)とし、対象を絞り込む。
対象はエコカー減税並みに
27年度燃費基準と、ポスト新長期規制の超過達成の度合いに応じて減税幅を決めた、エコカー減税並みの厳しい条件になるとみられる。
 一方、トラック業界からは「大型ディーゼル車のみの補助だと使用頻度が高い地方事業者などに限られる」として、対象範囲の拡大を求める声も上がっている。
非常用発電なども補助 東北の物資拠点中心に
施設の防災対策を強化
 自動車ではこのほか、営業用自動車のEV(電気自動車)導入を促進するための予算で15億4000万円を計上。さらに、国際基準に調和した自動車を研究・審査する機能を強化する費用として1億8000万円を充てる。
 また、補正予算では防災対策の強化を目的に物流施設の非常用通信、電源設備の導入費補助も行う。予算は2億1600万円。国交省は昨年、広域災害時に物資保管や仕分けなどを行う拠点として、395カ所の民間施設を選定。一部施設に非常用設備の補助をしてきた。
港湾など物流インフラ整備
 現在は東北ブロックで災害時の物資拠点選定を進めており、「今年度中に補助が必要な施設の対象を決める」(物流政策課)方針。関東や東海、近畿など災害時の物流拠点選定が進んでいる地域でも、リストアップされる数が増えれば、新たに補助する可能性もある。
 このほか、国際海上コンテナ車両が通行する大都市圏の環状道路整備、阪神、京浜港でのコンテナ船大型化に対応したターミナル整備など、物流インフラを拡充する予算も計上された。(小林 孝博)