日本ロジテム▼川越市で新営業所稼働 グループ最大拠点に 
2013年06月19日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
日本ロジテム(本社・東京、中西弘毅社長)は1日、埼玉県川越市に「埼玉営業所」をオープンした。営業体制の強化により取り扱い貨物が増加する中、首都圏の主要3PL(サードパーティー・ロジスティクス)拠点に位置付ける。初年度の売上高は約8億円を見込む。
埼玉営業所の新設は、新規顧客の獲得と既存業務の拡大に伴うもの。同社は埼玉県内に5カ所の営業所を持つが、いずれもスペース不足で、大型の物流センターが必要と判断した。
4日、中西社長は開所式のあいさつで「埼玉エリアに大きな倉庫を確保しなければ営業をかけにくい状況だった」と説明。「当初は迷いもあったが、営業開発の努力が(拠点の)借り入れを決断させた」とし、この数年続けてきた営業体制強化の成果を語った。
所在地は埼玉県川越市下赤坂593-1。敷地面積約2万5500平方メートル。4階建て、延べ床面積は約5万4800平方メートルで、同社グループ最大規模の施設になる。大手物流不動産のオリックス不動産から賃借した。
関越道所沢インターチェンジ(IC)から約8キロ、川越ICから約10キロ。今後は食品などを中心に配送、保管、荷役を行う首都圏物流の重要拠点になる。
配送、庫内作業の効率重視
業務を効率的に行うため、最新の設備を取り入れた。1階と3階にそれぞれ47台の配送車両が接車できるバースを整備。トラックが直接3階に乗り入れられるよう、相互通行型のランプウエーを設けた。
天井の高さも各フロア5.5メートル以上あり、荷量に応じ柔軟に対応できる。3.5トンまで貨物を乗せられる専用エレベーターは8基常設。垂直搬送機を取り付けられるスペースも4カ所確保し、1階から4階をつなぐことが可能だ。
施設は耐震構造。非常用自家発電機で貨物用エレベーター、照明などを稼働でき、災害時の事業継続機能も重視した。
災害対応、利便性で需要増
埼玉県内での営業所新設について「この数年、内陸部で物流拠点を求める顧客は多い。圏央道の全面開通も予定され、需要はさらに高まる」と中西社長。
今後の拠点整備に関しては、営業情報などを総合的に判断し、場合によっては「施設を用意してから顧客を獲得する手法も考えられる」(中西社長)とした。
埼玉営業所の稼働により、同社が保有する物流施設の総面積は国内で約42万9000平方メートル、海外も合わせると約59万4000平方メートルとなる。平成26年3月期には売上高398億円、営業利益7億7000万円を計画。各施設を効率的に稼働させることで目標を達成する方針だ。(小林 孝博)