三井倉庫・3カ年中計▼成長分野を重点強化、海外に80億円投資 
2013年08月01日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
三井倉庫(本社・東京、藤岡圭社長)は、アジア太平洋地域での拠点整備を強化する。今後3年間でアジア4カ国に約80億円を投資。経済成長が見込める北東、東南アジアで施設を拡充し、平成28年3月期の売上高1800億円、営業利益110億円を目指す。
18日、藤岡社長が事業戦略を語った。同社は4月から3カ年の中期経営計画「MOVE2013」を開始。「グローバルを舞台に総合物流企業を目指す」(藤岡社長)中、注力市場と位置付けるアジア太平洋地域での集中投資を柱の1つに据える。
拠点整備を進めるのはタイ、インドネシア、中国、韓国。4カ国を選んだ理由について、「同業他社より経験の豊富な地域が経済成長の中心地になっている。追加投資をしてアドバンテージを大きくしたい」と藤岡社長。各国で20億~30億円を投じ、日系荷主の物流業務獲得につなげていく考え。
国内外の施設面積は同等に
タイでは年内にも、バンコクの工場集約地に延べ床面積約2万6000平方メートルの倉庫を新設。部品物流などを手掛ける。
来年以降にはインドネシア、韓国で新たな拠点が稼働。中国では上海市に2拠点合わせて延床面積5万2800平方メートルの倉庫をつくり、食品など温度管理が必要な商品を含む物流を拡大する。
平成27年度末には、海外倉庫の面積は約63万平方メートル程度に増える見通し。国内の倉庫面積は現在、約70万平方メートル。3年後には海外でも同程度の施設を保有することになる。
国内では、高い需要が期待できる医薬品、医療機器などのヘルスケア分野に注力。約60億円を投資し、関東と関西で拠点整備を進める。
国内はヘルスケア事業拡大
関西では昨年11月の西神戸事務所に続き、同じ神戸流通センター内に延べ床面積約1万3200平方メートルの施設を新設。フル稼働で年3億円の営業利益を見込む。
関東でも埼玉県騎西町、東京都の若洲エリアに専用の施設を建設する方針だ。
藤岡社長は「専門の薬剤師を配備した厳格な商品管理、施設の免震機能などの強みを生かし、ヘルスケア事業の拡大を図る」としている。(小林 孝博)