日本梱包運輸倉庫▼小川営業所を開設、自動車物流の機能充実 
2013年08月02日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
日本梱包運輸倉庫(本社・東京、黒岩正勝社長)は7月10日、埼玉県小川町に延べ床面積約1万平方メートルの「小川営業所」を開設した。近隣にあるホンダの寄居工場、小川工場向けの物流を主に手掛ける。新倉庫は、日梱としては初めて太陽光発電設備を導入するなど環境にも配慮。来年には2期棟のしゅん工も計画しており、顧客の幅広い物流ニーズに応えていく方針だ。
小川営業所(埼玉県小川町靭負1388ノ1)は、ホンダの完成車工場である寄居工場とエンジンを造る小川工場の間に位置。サプライヤーからの部品調達、ホンダの生産ラインに合わせたタイムリーな部品納入、部品の組み立て作業、在庫管理など自動車物流に絡むさまざまな業務を行う。
敷地面積は約11万平方メートル。鉄骨造り2階建てで、延べ床面積9500平方メートル。造成と建物で9億円以上を投資した。
倉庫は各階を4つの区画に分け、積載荷重4.5トンの貨物用エレベーターを1基ずつ設置。天井高は1階7メートル、2階6.7メートル。床面耐荷重は1平方メートル当たり1.5トン。
海上コンテナの接車に対応できるようドックレベラーも4基備える。これにより、輸出業務への対応に加え、メーカーのグローバル調達への対応力も高まる。
輸送品目に合わせた専用輸送車も導入。その1つとして、小川工場のラインにエンジンを自動で流し込める2層式大型トラックを、東京日野自動車などと共同開発した。
太陽光発電やLEDを導入
また、日梱としては初めて太陽光発電設備を本格導入。発電能力は440キロワット、月間発電量は3万8000キロワット時で、東京電力への売電収入は年間約2000万円を見込む。照明は、長寿命化やCO2(二酸化炭素)削減が見込めるLVD(無電極)やLED(発光ダイオード)照明とした。
ホンダの物流再構築を支援
10日には開所式が開かれ、同社の主要顧客が出席。あいさつに立ったホンダの片山行常務執行役員は「ホンダはいま物流の仕組みを世界規模で見直している。ことしから日本全国で〝引き取り物流〟を開始。より効率的で環境に優しい物流を追求していく」とした。
ホンダは各サプライヤーからの部品調達をホンダが主導的に行う「引き取り物流」を全国でスタート。従来のサプライヤーごとに部品を納品する物流の在り方を見直す。
日梱は、ミルクランによる部品調達などでホンダの新たな取り組みを支援。ホンダが寄居工場で省エネ「世界トップクラス」の実現を目指すのに対し、「CO2削減をはじめとした環境に優しい物流で貢献していく方針」(黒岩社長)。(矢田 健一郎)