CBRE調査▼首都圏空室率2.7%で過去最低 
2013年08月19日 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
事業用不動産を扱うシービーアールイー(=CBRE、本社・東京、ベンジャミン・マーク・ダンカン社長)がまとめた平成25年4~6月の賃貸物流施設の市場動向によれば、首都圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は過去最低の2.7%。「足元の需要は全国的に旺盛、大型開発のテナントの事前契約も順調」という。
首都圏の空室率は1~3月に比べ0.1ポイント減。24年7~9月以来、低下が続き、需給はひっ迫。「既存物件にまとまった空室は少ない」(CBRE)。インターネット通販や3PL(サードパーティー・ロジスティクス)企業が需要をけん引。荷主では消費財・アパレルなどの小売業に加え、メーカー系の需要も増えている。
8棟新規供給圏央道に注目
下期は大型マルチテナント型物流施設8棟がしゅん工する。過去平均の4.2倍、供給面積は合計で90万平方メートル近くに上る見込みだが、「マーケット需要の懸念は少ない」と同社。約6割は既にテナントが内定していると推定。特に、今年度中に開通する圏央道周辺は、東京・横浜だけでなく東海から関東北部、東北南部にかけての広域輸送も視野に入れた物流拠点として新たな需要を呼び起こしている。
「テナント業種の広がり、引き合いに強さが見られる。多くの大型物件がしゅん工を控えているが、過剰感は少なく、着実に成約が進んでいる。物流市場は27年にかけて中期的にも拡大が継続する勢い」(CBRE)。
近畿圏でも空室率1.5%と需給がひっ迫し、湾岸部を中心に開発物件に期待が集まっているという。 (村山 みのり)