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増える宅配貨物▼フェリー輸送 ネット通販拡大で 

2013年11月16日

【輸送経済】
北海道―本州間のフェリー輸送で宅配貨物が増えている。「インターネット通販の拡大が要因では」と各社。「常時、輸送が必要」など顧客ニーズに変化も出てきている。
 大洗―苫小牧航路でフェリーを運航する商船三井フェリーは、特積み貨物、中でも宅配便が伸びている。平成19年に深夜便のダイヤを改正。午前0時発を午前1時45分発に変えて以降、トラック事業者が都内近郊の貨物を集約する時間に余裕ができ、集荷エリアも広がったことで積み合わせの雑貨、いわゆる特積み貨物が増加していた。
 さらに、この1~2年で顕著なのが宅配便の伸び。商船三井フェリーはトレーラーによる一貫輸送も手掛けており、「トレーラーの定期便では、宅配便の増加が目につく」(同社)。
「どの時間帯でもニーズある」
 八戸―苫小牧間でフェリーを運航する川崎近海汽船も、宅配貨物が増加傾向。9月に起きたJR函館線の脱線事故で、北海道―本州間の貨物列車が運休し、トラック輸送へのシフトが進んだことも影響しているという。「以前から多い便はそのままで、いままで乗らなかった便でも増えている」(川崎近海)。
 宅配貨物が増えたことで需要にも変化が。「北海道航路といえば農産品が主流で季節波動が大きかった。いまは1年中、どの時間帯でもニーズがある」(同)。
 宅配貨物増加の背景にあるとみられるのがネット通販の利用拡大。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、24年の消費者向け電子商取引(=EC)の市場規模は9兆5000億円(前年比12.5%増)で、右肩上がりで伸びている。今後も増加が見込まれる宅配貨物。需要の変化に応えられる航路をどう整えるかが、問われることになりそうだ。(藤本 裕子)