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CBRE▼2016年の不動産マーケット予測を発表 

2015年12月20日

CBREは、特別レポート「Japan Market Outlook 2016(不動産マーケットアウトルック 2016)」を発表した。このレポートは、オフィスマーケット、物流施設マーケット、不動産投資マーケットのそれぞれについて2015年の総括と共に、2017年までの見通しをまとめたものである。以下、レポートから抜粋してお伝えする。

オフィスマーケット

レポートによれば、2015年のオフィスマーケットは業容拡大のためのオフィス増床、ならびにオフィス立地の改善など、2014年に続いて「前向き」な移転動機が需要を牽引した。企業業績の更なる拡大が予想される中で、この傾向は2016年も続くとみている。東京における2016年から2017年にかけての新規供給床は、年間平均で過去平均並みの約19万坪となる。既存ビルでまとまった面積を確保しにくい中で、2016年のグレードAビルの新規供給床については、その50%程度で既にテナントの目途がついている状況である。今後も賃料の上昇傾向は続き、グレードAオフィスの想定成約賃料は2017年にかけて9%の上昇を予想している。地方都市においては、需要の潜在化が懸念されるほどに供給不足が深刻化しつつある。特に札幌、広島、福岡では、空室率は観測開始以来の最低値を更新中だ。タイトな需給環境を背景に、いずれの都市においても賃料は上昇し、一部の都市で上昇ペースは加速すると予想している。

物流施設マーケット

首都圏の物流施設マーケットでは、全体的にはタイトな需給環境が続くものの、サブマーケット間の格差は広がるとみている。2015年に続き2016年も新規供給床が過去最高を更新することと、それらが特定のエリアに集中することがその要因だ。3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)の業容拡大、eコマースの持続的な成長、そして小売業界における配送サービスの更なる向上・効率化等を中心に、先進的大型物流施設に対する需要は弱まる気配がない。そのため、現在予定されている新規開発物件についても、プレリーシングが進んでいるものが多く見受けられる。ただし、新規供給床の約30%が集中する圏央道エリアでは、物件のストックも少なく、従ってテナント企業の集積も多くない。そのため、新規供給の影響で空室率は10%を超える水準が続き、賃料も弱含むと考えられる。しかしながらその他のエリアでは需給が逼迫した状況が続くため、賃料は2017年にかけて1~6%のレンジで上昇すると予想する。

不動産投資市場

不動産投資市場は、2016年も引き続き需給タイトな状況が続くと考えられる。物価上昇率が未だ日銀のターゲット(2016年後半に2%)を下回る中で、追加の金融緩和の可能性もあり、投資家にとって良好な資金調達環境はまだしばらく続くとみられる。2015年は、東京都心を中心に優良な売却物件が希薄であったため、年間を通しての投資総額は前年に比べて20%程度縮小する見込みだ。これに対して2016年の不動産投資総額は前年比で15%程度拡大し、2014年の水準に近づくと予想される。地方都市での取引量の増加ならびにキャップレートの低下(=価格の上昇)が見込まれることに加え、都心でも売却物件の増加が予想されることが主因である。2012年頃に本格的な投資を開始もしくは再開した投資家の間では、利益確定を検討する動きも見られ始めている。これらの資産が旺盛な投資意欲の受け皿となり、不動産投資市のボリューム拡大につながると考えられる。