消防庁▼5万m2以上の新築倉庫で火災対策ガイドライン 
2018年04月04日消防庁予防課は27日、「大規模倉庫における消防活動支援対策ガイドライン」を作成、国土交通省住宅局との連名で日本倉庫協会、日本物流団体連合会、日本不動産協会に協力を呼び掛けた。
広範囲な倉庫火災が発生した場合でも効率的な消防活動を行う環境を確保する。倉庫事業者が個々の建物の状況に応じて消防活動を支援するための措置を検討し、必要な対策を講じる場合に参考とするための指針として作成された。
ガイドラインは床面積合計5万m2以上の新築倉庫を対象とする。火災情報信号を発信する感知器(アナログ式感知器等)の電気配線について「短絡を防止する措置」または「短絡の影響を局限化する措置」のいずれかの措置を講じなければならないとした。
電気配線が感知器に接続する部分には、耐熱性材料(耐火電線に用いるマイカ素材のテープ等)で被覆する。感知器に接続する電線内導線が分岐部分が熱で被覆材が溶融した場合、短絡が発生する可能性があることから、それぞれの導線の被覆を求めた。
消防隊が建物内部への進入を支援するための措置として、進入用階段等までの水平距離が50m以下、非常用進入口または代替進入口を防火対象物の2階以上の階に設ける。
今回の告示では、火災の影響が及ぶ範囲の上限を3000m2として定め、スプリンクラー設備等の自動式の消火設備を設けた部分については適用されない。
2017年6月にとりまとめられた「埼玉県三芳町倉庫火災を踏まえた防火対策及び消防活動のあり方に関する検討会報告書」では、大規模倉庫火災が広範囲に拡大した場合、消防隊による消防活動が極めて困難となることから、防火シャッターの確実な作動や事業者による初動対応など、火災拡大を防止するための対策を講じることが不可欠と提言された。
今回のガイドライン作成に伴い、国土交通省住宅局は、防火シャッター不作動を防ぐための対策を講じるため、「防火区画に用いる防火設備等の構造方法を定める件(昭和48年建設省告示第2563号)」を改正、2019年4月1日より新基準は施行される。
スプリンクラー設備は、消法第17条の3の3の規定に準じて定期に点検を行い、他の消防用設備等の点検報告と併せて、消防本部に報告することが望ましいとしている。