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JILS▼「ロジスティクスコンセプト2030」策定 

2020年01月19日

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は10日、「ロジスティクスコンセプト2030-デジタルコネクトで目指す次の産業と社会」を公表した。

JILSでは過去4回にわたり、ロジスティクスコンセプトを策定。JILS会員を中心とした産業界、社会に対して、時代変化に合わせたロジスティクスの将来像を提示してきたが、新たなコンセプトでは2030年に最適なサプライチェーンを実現するための指針、施策を示した。デジタルコネクトを用いた産業と社会を築くため、今後行うべき事柄として、7つの提言を行った。

◆ロジスティクス再定義
 口ジスティクスは物流が高度化されたものとして、JISに定義されてから十数年、口ジスティクスが日本で普及しているとは言い難い。 JILSではロジスティクスで重要な視座は、俯瞰することと強調する。ボトムアップ思考の思考法から180度転回して、俯瞰的/メタ的思考でトップダウンからロジスティクスを再定義する。

◆サプライチェーンの再構築
 グローバル環境規制を起点に、サプライチェーンを取り巻くマクロ外部環境が連鎖的に変化を遂げている。連鎖、生産、受注・納入、返送を構成するサプライチェーンの意義や関係性の変化を促し、2030年までにサプライチェーンが変容する。需給を含む、汎作業的な同時・非連続の変化=進化において、ロジスティクスが重要な役割を担う。

◆標準化を推進
 日本の企業はこれまで商品やサービスを顧客に合わせて利益を得てきたが、10年後のロジスティクスのオープンなプラットフォーム構築にはカスタマイズ戦略を捨て、標準化を強く推進しなくてはならない。

◆適切な投資
 ロジスティクス総合調査の結果から、ユートピアのための要素として荷主企業では「標準」、物流事業者等では「投資」、両者に共通するのが「高度人材」とJILSは分析する。ロジスティクスに関わる投資は、全体最適の目線から行う必要がある。

◆データ共有型プラットフォームの社会実装
 課題が大きい領域こそ、イノベーションは起こすことができる。ロジスティクスは社会実装を重視して取組む必要があり、企業がイノベーションを推進する際には、可能な限り既存業務と分離した専門組織で対応することで、新たな取組みの継続性を高め、成功確立を上げることができる。

◆ユートピアの準備
 隅々にわたって標準化されていることが重要。データエレメント、輸送容器に留まらず、ロジスティクスに関する広い領域を対象に、来るべきユートピアの準備を行う。

◆ユートピアを実現させる高度人材
 ロジスティクス、SCMが高度化し、扱うべき内容は理系の最先端分野のテーマとなった。しかし、日本の大学ではこうした先端科学の講義は極めて少ない。理系大学院レベルで、広くロジスティクスやSCMを科学的に教えて講座を開講すべきだ。