日産自動車▼部品引取りで1日10トントラック300台削減 
2008年07月03日【LNEWS(http://www.lnews.jp)】日産自動車は6月25日、CSR(企業の社会的責任)に関する考え方や活動をとりまとめた「サステナビリティレポート2008」を公開した。
物流分野の環境対策では、鉄道や船舶輸送への切り替えを行うモーダルシフトの推進、トラック輸送量の低減と部品梱包仕様の改善による積載率向上という2つのアプローチに取り組んでいいる。
物流に関わる2007年度の日本国内のCO2排出量は約11.1万トンで、これまでの算出方法を見直し、改良トンキロ法および燃費法に基づく算出へ変更した。
この改定にともない、対象範囲についても見直しを行うい、2006年度より完成車や生産用・補修用部品の日本国内輸送、日本国内港間輸送をはじめ、事業所間での社内文書などの郵便配送、産業廃棄物処理、販売会社への広告配布なども把握対象としている。
2007年度からは、日本国内港と海外港を結ぶ海上輸送や、北米、欧州、そのほかの地域での国内輸送についても把握・管理を広げている。
積載率向上への取り組みとして、2000年から、日本の自動車メーカーとして初めて自社手配によるトラックがサプライヤーを回り、必要な部品を引き取る「引取輸送方式」を採用している。
このため、従来サプライヤーが個々のトラックで納品していた「送り込み方式」に比べて積載量が向上し、1日あたり10トントラック2,500台を必要としていた搬入車両を、2,200台にまで削減できており、この引取輸送方式を中国とタイにおいても導入し、今後も各地域に拡大する。
欧州では、ルノーとの間で部品ならびに完成車の共同輸送を実施しており、英国と欧州大陸間で行っている共同フェリー輸送を他社とも提携を広げ、相互利用による輸送効率の向上に取り組んでいる。
部品を効率的に収納するために、55種類の容器を独自に開発し、空容器を戻す際に容積を低減する「折り畳み式」を採用し、約10%の積載率向上を実現し、これらの業務を専門とする「部品物流エンジニアリング部」を立ち上げ、計画的な物流のさらなる効率化を図っている。
モーダルシフトでは、日本での完成車輸送は、約60%を海上輸送で行い、上下段に各1台のクルマが積載可能な2段式コンテナの専用列車「日産カーパック」の利用も進め、2007年度には約6,000台をこの方法で輸送した。
さらに、関東の各部品メーカーから九州工場に向けてトラックで輸送していた部品を、CO2排出量が船舶の半分以下となる鉄道コンテナ輸送に切り替えている。