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シービー・リチャードエリス▼不況、さらに大量供給でも東京の空室率は微増にとどまる 

2009年02月03日

 シービー・リチャードエリスはこのほど2008年10~12月期までの四半期動向による物流不動産動向調査を公表した。
 それによると首都圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は、15.0%と前期比0.5ポイントの上昇に。四半期ベースでは過去最大の5棟、約11万5000坪のマルチテナント型施設の新規供給が行われ、供給が集中したことによる空室率の上昇が懸念されたが、需要が大きく伸張したことで微増に留まった。
 また首都圏の中大型規模の募集賃料水準については、埼玉県でマイナス1%、千葉県でマイナス6.5%、東京都でプラス5.4%、神奈川県でプラス1.5%という結果に。埼玉県、千葉県では下落傾向を示しているが、東京都、神奈川県では堅調な推移となっている。大型供給が相次いだこともあり、テナント獲得競争により賃料水準は実勢ベースでは弱含みで推移するエリアもみられてはいるが、募集賃料ベースでは比較的安定的な推移に。不況の影響も懸念されていたが、逆に集約化によってコスト削減を図ろうとする動きもみられ、物流施設需要は堅調だった。
 それでも2008年は、投資家案件が集中的に供給されたこともあり、供給過剰感が見られていたが、2009年以降については、2008 年の半分の水準まで新規供給が抑制されるため、今後の展開次第では、空室率は徐々に改善してくのではないか、とまとめている。
 また、関西圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は、2008 年7~9月期で21.4%に対し、12月期は16.5%と改善した。関西地区は2006 年、2007 年の湾岸部を中心とした大量供給により、2007年後半から高い水準で推移していたが、2008 年に入り、大型供給が一段落したことや、既存施設の空室の消化も比較的順調に進んだことで改善をみせている。賃料動向では、2008 年下期ベースでマイナス2.2%となっており若干下落を示している。
 一方、中部地区においては、物流拠点の集約・統合による大型施設に対する引き合いはあるものの、自動車関連企業をはじめとする製造業の減産の動きが多くなっており、昨年と比較し荷動きは大幅に減少。物流不動産市場にも影響がでてきているものとみられている。