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シービー・リチャードエリス▼首都圏の賃貸物流施設の空室率(3月時)は15・3%に 

2010年04月29日

 シービー・リチャードエリスは、2010年3月時点の首都圏における賃貸物流施設の空室率を発表した。
 それによると今期の平均空室率は、1.1ポイント上昇し15.3%となった。今期は、新規供給された1棟がテナント未定のまま竣工し、既存物件からの大規模なテナント流出もみられたが、前期同様に新築物件の空室消化が順調に進んだことで小幅な上昇にとどまった。
 前期は平均空室率が大きく改善し、大型マーケットにおける需給改善の兆しが見られたが、今期は需要の拡大に一服感がみられた。テナントの動きとしては、ネット通販等の一部の企業を除いては企業の経営環境は厳しく新規進出等の動きは少ないが、コスト削減を目的とした統廃合による高スペック物件への移転の動きが見られており、これにより大型新築物件の空室消化が進んでいると考えられる。
 今後しばらくは大型施設の新規供給は限定的であり、大型新築物件に対する需要が底堅いことを考えると、大型マーケットの需給は改善していくことが想定される。
 また既存物件の空室率については、1.5ポイント上昇し8.3%となった。全般的には既存物件におけるテナントの動きは限定的であったものの、賃貸の既存物件から自社の新築物件に移転する大型テナントの動きにより大規模な空室がみられたことが影響して3期ぶりに上昇を示した。
 大型マーケット規模を示す稼働床面積(指数)の推移をみると、大規模なテナント流出が見られたものの、新築物件を中心に新規需要が創出されたことで引き続き僅かではあるがプラスでの推移となっており、今期もマーケットの拡大が見られている。一方で、大型マーケットの拡大は中小規模クラスからの集約移転による需要が中心であることを考えると、今後中型クラス以下での二次空室による需給の緩和懸念もある。
 賃料水準については、大型物件で空室消化は順調に進んでいるものの、コスト削減による移転が中心であるため、テナントサイドが求める賃料水準は依然厳しく、募集、成約とも弱含みでの推移となっている。