虚像に虚像を重ねて、見えない価値を増幅していった − 2 
今回の金融不安も同じことだろう。金融が信用というものを売買し、1万円のものを、100万円に見せかけていた。ただし、この手法で儲け続けるためには、その100万円を1億円、100億円とどんどん大きくしていかないといけない。それだけの見せかけの価値を信用させないといけない。しかし、サブプライムローン問題でその虚像が明らかになり、バブルがはじけた。価値が100円程度にしかみえなくなり、株の急落になった。
実態経済に金の動きはつき物。そこに金融は絡んでくる。しかし、今回の金融問題は、実体経済とかけ離れていた。信用を売買し、虚像に虚像を重ねて価値を増幅させていったのだ。
なぜ、こんなことが必要になったのか。アメリカが、得意としていた“ものづくり”が日本やアジア各国に押されるようになったからだ。車がいい例だろう。そのために、アメリカには、“ものづくり”以外の市場を確立しなければ、経済力を維持できなくなっていた。それが金融だった。
結局、アメリカの“虚像”を市場にすることは失敗した。今回のことで、“モノを持つ”ということがさらに、重要になっていくだろう。まずは、金やレアメタルを持つ国は強くなっていくだろう。石油も同じだ。
日本の物流にも同じことが言えるのだろうか。拠点を持ち、保管や実運送を行う企業と、元請けとなり、物流コンサルに近い企業。荷主が物流を勉強すればするほど、実像に近づいていく。