既存倉庫の老朽化問題が追い風に − 4 
既存倉庫の老朽化問題が追い風に
この動きに遅れたのが3位以下の企業だ。上位2社の動きに対し、やっと動き出した。
マルハとニチログループの合併で、物流も統合したマルハニチロ物流。今年2月に新鳥栖物流センターが稼動した。保管能力では業界3位だが、合併により、同地域に複数拠点がある状況が残ったまま。拠点の効率化が問題となっているものの、進んでいない。
日水物流も今年4月に川崎物流センターを増設したが、それも約10年ぶりという久しぶりの設備投資だった。今後、設備投資を加速させ、11年までに保管能力1割増の37万トンに引き上げる予定だという。
業界1位・2位の拠点集約・効率化の動きに、業界全体が連動し始めようとしている。
こういった拠点の再編の追い風になっているのが、既存倉庫の老朽化の問題だ。冷蔵・冷凍倉庫は築30年以上のものが大半となっている。業界では「冷蔵・冷凍倉庫は、50年は利用できる。しかし、メンテナンス費などを考えると40年ぐらいで新設するのがコスト的に妥当」という。築年数だけ見ても、ここ5年でニーズは拡大することがわかる。
さらに、環境面でもメリットがある。既存の冷蔵・冷凍倉庫では、古い冷媒を使用していたり、壁の断熱能力が弱かったりする。新拠点にすることで環境対策にもつながり、大幅な管理コストの削減にもなる。
国交省の一部でも、冷凍・冷蔵倉庫の建て替えを進める考えがあるという。予算の関係で、補助金が出るかまでは未定だが、着実に倉庫集約ニーズが高まっている。