不況の影響を受けるファンド − 11 
昨年9月のリーマンショックで、日本の物流不動産ファンドも大きく変わった。プロロジスが一部資産を売却したり、AMBが中部支社を閉めたりと、縮小が続く。
その動きを、冷めた目で見ている業界関係者もいる。「物流施設は荷物があってのこと。少子高齢化や、海外生産などで、国内物流は漸減していくのは目に見えている。それなのに、大型施設のニーズはまだまだあると言っていた。その時点で、おかしいと思った」という。
実際、把握しているだけでも30万坪ちかいスペースが空いていることが分かっている。そのため、ファンドのテナント募集条件が少しずつ緩やかになってきている。
今まで、5千坪以上、1万坪以上といった大型スペースの利用者しか相手にしなかったファンドも多かった。それが、9月以降に一変した。数カ月間テナントがついていない施設では、「1000坪でもいいから」「短期の一時利用でもいいから」という声も出てきたほどだ。
“長期使用しないといけない”“大型のスペースを借りないといけない”といったファンドにあったイメージが変わりつつある。