物流企業の対応策は何なのか? − 36 
その中で気になったのが、物流業界の対応。人材派遣に任せていた状況が続いていたため、“自社でパート・アルバイトを教育できない”物流現場が多いということだ。
そういえば、先日、ある展示会で、物流業に特化した請負業者に会った。荷主さんに頼まれて、倉庫内作業を請け負っているという。人材派遣の問題があり、いろいろと仕事が来ているとも。さらに驚いたのが、その会社さんでも、荷主さんの要望で倉庫を探しているという。これでは、どっちが物流企業だか分からない。
人材派遣の問題で物流業者が自社の強みを発掘できなければ、こういった他業種からの進出を許してしまうことになるのだろう。
「誰でもできて、頭を使わない商売は儲からない。儲けるには、人がしないことを、頭を使って行うこと」。経営・商売の原則だ。ただ保管、入出庫、流通加工をするだけの物流では、物流以外からも、参入者が増えていき、儲けはなくなる。
今回の労働者派遣法の改正で、各物流企業がどのように対応していくのか。「ピンチをチャンス」と捉えられるのかで、その企業の能力が問われる。
(了)