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各メーカー東北拠点▼大地震による損傷多数 

2011年03月15日

 日本のメーカー各社は東北地方太平洋沖地震の影響について、12~14日にかけて概要を発表している。
 日産自動車は、いわき工場(福島)、栃木工場(栃木)、横浜工場(神奈川)、追浜工場(同)、座間事業所(同)、本牧専用埠頭(同)で一部建屋の損壊や設備の損傷などの被害が出ているとし、茨城県の日立港においても米国向けに出荷を予定していた車両約1300台が被害を受けているもようだと伝えている。
 キリンビールは仙台工場の被害を報告。ビール貯蔵タンク4基が倒壊するなど、全設備が損傷しており現在は停止の状態にあり、津波による在庫品への影響も出ているという。取手工場においても、貯蔵タンクなどに損傷が見られるもよう。
 ほかにも──日立製作所では、茨城県内の生産拠点を中心に、建屋および生産設備に損傷が発生している。旭硝子でも、鹿島工場(茨城)で建築用フロート板ガラス生産設備の一部が損傷し、現在生産を停止しているとしており、千葉県の工場では近隣のコスモ石油の工場で火災が続いていることから、工場への立ち入りが制限されているという。
 参考までにコンビニチェーンのローソンは14日15時20分の時点で、店舗状況を次のように発表している。店舗数と休業店舗数で、青森県が171と6、秋田県が154と34、岩手県が161と161、山形県が61で39、宮城県が165で78、福島県が96で54、茨城県が105で29──。
 生産拠点の操業再開に関しては、トヨタ自動車による14日の「地域の復興支援とトヨタ、ボディーメーカー、サプライヤー従業員ならびに家族の安全を優先するため3月14日に加え、15日、16日について、トヨタの全工場の稼働を停止いたします」との発表に象徴される通り、各社ともに従業員の安全を最優先にしながら電力供給など諸状況を勘案して行うとしている。
 今後に関しては、福島原発事故の影響が大きな懸念材料となっている。現時点では最終的にどの程度の被害に達するかは判然としないが、仮に当該エリアが放射能汚染で“死の土地”と化した場合、エリア内の拠点・事業所・農家などは確実に閉鎖へと追い込まれる。原発事故は損害保険の対象にならないこともあり憂慮すべき事態と言える