首都圏物流施設▼震災特需で空室率改善 
2011年04月14日 シービー・リチャードエリス(東京・港区)はこのほど、2011年3月期の首都圏大型マルチテナント型物流施設の空室状況を発表した。
主な動きとしては、①空室率は6.2%と5.3ポイントの大幅低下で07年12月期以来の低水準、②震災による緊急避難的な需要の急増を受け新規需要の約80%が短期契約──などがある。後者に関しては、倉庫内設備の損傷によるものに加え、荷崩れによるスペース確保、滞留在庫の増加による増床などを理由に挙げている。
賃料水準については、震災前の時点では、大型物件への堅調な需要により空室が消化されてきたことで賃料の下方調整も一巡した感があり、震災後は空室は減少したものの、現時点では賃料に大きな変動は見られないとしている。
ただし既存施設の破損の改修が遅延すれば、短期契約から長期契約への移行や、既存施設からの集約といった拠点の見直しが進むことで大型優良物件が品薄状況になり、賃料がプラスに反転する可能性があるとの見方も示している。