拡大する物流不動産市場 − 80 
最近、新聞紙上を物流不動産関連のニュースがにぎわしている。今年1月9日、アスクルが、オリックス不動産から埼玉県入間郡の約7.2万平方mの物流施設を取得。一般消費者向け事業「LOHACO」の当日配送可能な日用品を倍増させEコマースNo.1を目指し、アマゾンを追撃する体制を整備している。アマゾンも、2012年5月に佐賀県鳥栖市に物流拠点を設置、13年には神奈川県小田原市で約20万平方mの物流センターを開業予定しており、高機能大型物流施設(メガ倉庫)の需要はますます旺盛だ。
首都圏を中心に立地、スペック、セキュリティー、BCP(事業継続計画)、環境対応に優れた物流施設に対するニーズは高く、一部専門紙などによると2013年は、約150万平方mの物流施設が供給される見込みであり、近年需要が旺盛だった08年レベルと同じ水準となっている。
また、不動産投資信託(J-REIT)では、昨年11月の大和ハウス工業、12月のGLPに続き、日本プロロジスリート投資法人が今年2月に東京証券取引所に上場予定で、物流不動産のカテゴリーが、投資市場でも大きな存在感を見せている。安定利回りを武器に投資家を呼び込める市場として、今年も物流不動産市場は大きく成長を遂げるだろう。
では、このメガ倉庫大量供給の時代に、高築年数倉庫を持つ企業はいかに生き残りを図るべきか。物流不動産Bizはさらなる進化を求められそうだ。
(イーソーコ総合研究所 鹿野島 智子)