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中央道・トンネル事故▼物流に混乱きたす恐れ 

2012年12月19日

 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
 中央道の天井板崩落事故が、トラック事業者の輸送に影響を与えそうだ。中央道は関東圏と中部・関西圏を結ぶ物流の生命線。う回路の国道20号は渋滞が発生し、全日本トラック協会はホームページ上で別ルートを公開した。一方、国土交通省は高速道路各社にトンネルの一斉点検を指示しており、他の路線でも一時的な車線通行制限などが敷かれる可能性もある。
    
 中央道の事故は2日、山梨県内の笹子トンネル上り線で発生した。同トンネルは天井板を金具でつり下げる構造。固定金具の経年劣化により事故が起きたとみられるが、NEXCO中日本は原因を調査中としている。
 中央道は現在、勝沼インターチェンジ(IC)~大月ジャンクション(JCT)と一宮御坂IC~大月JCTの上り、大月JCT~勝沼ICの下りがそれぞれ通行止めの状態。復旧作業に時間がかかり、開通の見通しは立っていない。
う回路でも渋滞発生中
 通行止めとなっているのは関東圏と中部・関西圏を結ぶ主要な区間で、普段から交通量も多い。う回路の国道20号は事故発生後、乗用車など多くの車両が流入。「時間帯により渋滞が起きている」(日本道路交通情報センター)状態で、年末繁忙期を前にルートの見直しを迫られるトラック事業者もいそうだ。
 全ト協は4日、ホームページ上で国道20号を使わない迂回ルートの情報提供を開始。東京方面に向かう場合は中央道一宮御坂ICで降り、国道137号を南下。富士吉田線河口湖ICから大月JCTを使うルートなどがあるとしている。
 だが、乗用車なども同様のルートを利用しており、「河口湖IC手前の国道では渋滞も発生している。朝晩は路面凍結もあるため、滑り止め対策も講じてほしい」(同)。
車線通行規制敷き点検実施
 中央道の事故を受け、国交省は3日、天井板を金具でつり下げた構造のトンネルが全国で49カ所をあると公表。高速道路各社に一斉点検をするよう指示した。
 NEXCO東日本は12日まで、北陸道能生トンネルや圏央道菅生トンネルなど14カ所で緊急点検を実施。ラッシュ時を避けて点検する予定だが、「作業中は車線の通行制限はかけることになる」(同社広報室)。
 他の高速道路でも、国交省への報告期限となる12日まで同様の点検が行われる予定で、車線の通行規制などによる渋滞も懸念される。(小林 孝博)