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日通▼パナソニック、NEC 電機子会社2社を買収 

2013年04月18日

 【輸送経済(http://www.yuso.co.jp)】
 日本通運(本社・東京、渡辺健二社長)は7月以降、電機メーカー系物流子会社2社に対し、相次いでM&A(企業の合併・買収)を進める。この数年顕著となっている電機業界での事業の「選択と集中」の流れを捉え、メーカーの物流機能を取り込む。買収するパナソニック、NECの子会社の売上規模は合計1350億円を超え、連結化されれば日通の業績(1兆6280億円)を大きく押し上げる。
 日通は7月、パナソニック ロジスティクス(本社・大阪府摂津市、藤井宏英社長)の発行済み株式の66.6%をパナソニックから取得。
家電、IT分野の物流を強化
 10月にはNECロジスティクス(同・川崎市、吉村直樹社長)の株式の49.0%、来年10月には2.0%を追加し、合計51.0%をNECから取得する。どちらも決算の連結対象となる50%以上にする。
 日通は、電機系物流子会社2社のノウハウや顧客網を得て「物流プラットフォーム構築」(=共同物流)を推進する。パナソニックロジの家電分野、NECロジのIT(情報技術)分野の物流ノウハウを活用。日通のネットワークと組み合わせ、効率化と品質向上につなげる。
パナは国内、NECは海外重点
 パナソニックは主力の白物家電のほか、関連事業を全て自前で賄う「自前主義」から「脱・自前主義」へ転換。物流子会社の譲渡はその一環で、国内物流を効率化したい考え。グループの旧・松下電工は、日通との間で平成14年に旧・電工の3PL(サードパーティー・ロジスティクス)を担う合弁会社を設立している。
 一方のNECは、海外物流の強化を急ぐため、日通をパートナーに選んだ。新興国中心に海外展開を加速しており、現状で23拠点にとどまるNECロジの海外ネットワークでは十分ではないと判断。400を超える拠点を持つ、国際物流最大手の日通と組む。
 NECロジの売上構成は、グループ向け7割、外販3割。効率化とネットワーク充実による競争力強化で外販を伸ばす。国内物流に関しても「拠点集約による合理化が期待できる」(NEC)という。
 日通が10月に第1回目の出資を行った後、社名を「日通NECロジスティクス」に変更する。これまでNECは、日通に自社の情報システムを販売。NECロジを通じて物流業務の一部を委託していた。
 パナソニックロジは資本金18億円。売上高730億3100万円(24年3月期)。従業員約1200人(25年2月末現在)。NECロジは資本金3億8000万円。売上高627億8000万円(24年3月期)。従業員2115人(連結、24年12月現在)。従業員の処遇については、パナソニックロジ、NECロジとも現行の雇用、条件を維持していく方針。(矢田 健一郎)