センコー▼初の医療系大型施設 関西の物流サービス強化 
2014年02月18日輸送経済
センコー(本社・大阪市、福田泰久社長)は1日、関西地区での物流サービス強化を目的に、北大阪トラックターミナル(大阪府茨木市)内にグループ初の医療・医薬向け大型物流センター「北大阪PDセンター」を開設した。BCP(事業継続計画)対応型施設として免震構造も採用。万全の保管・輸送体制で荷主のニーズに応える。
センコーは関西で食品や医療系の配送ネットワークを構築。大阪全域と兵庫、奈良、京都の一部に立地する45の事業所(センコー3支店と関係会社4社の拠点合計)からエリア別に共同配送などを行っている。開設した北大阪PDセンターはこれら事業所を管轄する大阪主管支店となる。
鉄骨造り5階建て、延べ床面積約4万8000平方メートル。取扱品目は医療機器、医薬品、食品、精密機器など。吹田インターチェンジから10分。吹田貨物ターミナル(大阪府吹田市、摂津市)や大阪貨物ターミナル(摂津市)からそれぞれ10分、5分の距離で、鉄道輸送との連携にも優れる。
定温庫としての利用も可能
1階荷さばきホームは両面にバースがあり、トラック46台の接車が可能。ホームとトラック荷台の段差をなくすドックレベラーが6台。
6基ある垂直搬送機の1階開口部には、搬出入時に自動開閉するシートシャッターを設け、虫などの混入を防止。貨物エレベーターは2基(荷重3.5トン)。
3階はピッキングやこん包を行う軽作業場として活用。定温庫としても利用できる。2階と4~5階は空調設備を導入すれば定温庫への切り替えが可能だ。また5階はフロア全面に自動移動ラックを設置し、保管効率を高める。
免震採用などBCP対応型
グループの西日本の物流施設で初めて免震構造を採用。建物と基礎の間に98基の免震装置(積層ゴム)を備え、地震時の保管物の落下・損傷リスクを大幅に低減。自家発電装置による非常時の電力供給など、荷主のBCPへの要望に応えた。セキュリティーも強化。1階バースに防犯カメラ、各階出入り口にカードキーによる電気錠を設置し、入退出管理を徹底する。
輸配送体制も充実。北大阪PDセンターの管轄エリアで約350台の車両を配置。景気や季節波動に合わせ、協力会社の車両を追加投入する柔軟な体制を敷く。共同配送によるコストダウンや専属ドライバーによる配送で「高品質サービスを提供できる」(センコー)。
福田社長は1日の開設祝賀会のあいさつで「(近畿2府4県のグループの物流施設の延べ床面積が)50万平方メートルになった。神戸地区への施設開設も検討したい」と話した。(丸山 隆彦)