ビジネス&リーガル(法律で負けない法)− 第12回 詳解 物流不動産関係法令
お酒の宣伝で江川と小林が登場しています。20年以上も昔、巨人入団の空白の一日を使ってウルトラサプライズが江川の手法でした。バカを見た小林はコマーシャルの撮影合間でどんな会話を交わしたのでしょう。
法律の条文や解説文はとても分かりにくいうえに、識者の解釈もまた腑に落ちるモノがありません。刑法や裁判所の判例、というのも歴代裁判官の解釈によって白にも黒にもなり得るのが現実です。
どれほど法律を詳しく学んだとしても、実務での会社は法律専門家の力が必要です。また、専門家はそれなりの解釈に長けてはいるモノの応用技は苦手です。結局法律を利用するのはビジネス最前線の私たちの知見に掛かっているのです。
コンプライアンス、ビジネスチャンスの発掘のためには、マーケットに耳を傾けるだけでは叶いません。まさに法律を駆使した、法律を利用した他社を抜け駆けするチャンスこそ大きいのです。
ビジネスがグローバル化、不動産が外国資本によって右往左往させられている現在、経営モデルにパラダイムシフトを持ち込まねばなりません。ルールそのものを変えてゆく意気込みがこれからのビジネスチャンスを生み出すのです。
製造業や物流業はどうしても生産性の向上やコストダウンばかりに目が行きますが、それではブルーオーシャンマーケットを生み出すことはできません。
競争相手のいない、稼げるだけ自由のある市場は、アイデアと法律の知識によって自己保全が可能なのです。
ヒト・モノ・カネ・情報・不動産、5つ目の企業資産が多くの付加価値を生み出している実態を知るなら、そこにどれほど法律や税法、会社法に関する知見のエネルギーが使われていることを知るべきです。
金融機関が未曾有の業績を誇示しているのも、片方では免税に近い処遇を受けている現実。これこそが法科社会になっている我が国の姿でしょう。
政治も経済も新聞を賑わしてはいますが、その実法律解釈や税法や国際法のしくみに後付でしか言及できないマスコミもチャンスの後ろ髪を追いかけているようにしか思えません。
今一度、リーガルアドバンテージを考えたいものです。
12回の連載は今回で終了します。ご愛読ありがとうございました。
次回より新テーマ、『再び学ぶ物流不動産』を連載致します。
イーソーコ総合研究所・主席コンサルタント・花房陵