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国交省〝専業水屋″で実態調査▼利用運送8000社が対象 

2014年09月02日

輸送経済新聞社

 自ら車両、ドライバーを持たず、輸送を実運送業者に丸投げする「専業水屋」について、国土交通省が実態調査を進めている。すでにアンケートを配布済みで8月中に締め切る。利用運送の頻度や安全管理体制を把握することで、今後の対策につなげる考え。
 調査は全日本トラック協会の要望を受けたもの。専業水屋は貨物利用運送事業法で規制されているが、現状では行政による監査体制は整備されていない。ト ラック協会の適正化事業実施機関が行う巡回指導の対象にもなっておらず、安全を阻害する条件で仕事を頼む業者が問題視されている。
 平成23年度時点で利用貨物運送事業者は約2万2300社いるが、国交省はこのうち何社が専業水屋かをつかめていない。このため、自動車局は貨物利用運送を所管する物流産業室と協力し、実態把握の調査を行う方針を固めていた。

安全管理体制など確認

 アンケートは専業水屋に加え、車両を持ちながら利用運送も行う3PL(サードパーティー・ロジスティクス)事業者ら約8000社が対象。どのくらいの頻度で利用運送を行っているかを確かめることで「専業水屋の割合を調べる」(貨物課)。
 仕事を依頼された荷主の形態や運賃の収受状況のほか、実運送業者への業務の発注方法についても質問。下請け法や独占禁止法といった法律の知識、契約の書面化をどれだけ徹底できているかもチェックする。
 「(荷主からの)指定時間に無理を感じたことがあるか」の項目を盛り込み、具体的に何次受けの業務で無理を感じたかを確認する。無理と感じても仕事を続けたか否かに関しても聞く。
 「調査から安全を阻害する運行を指示しているのが専業水屋なのか、自社で車を保有しながら利用運送も使う事業者なのか確かめたい」と貨物課。荷主の言いなりで危険運転を強要する事業者への対策も考える。
 調査は年内にまとめる方針。(小林 孝博)