アメリカ物流トレンド見聞 その1「アメリカに学べ」 - 118 
現在の日本のビジネス環境やインフラの多くはアメリカからもたらされたものだ。例えばビジネスに欠かせないコンピューター。日本ではパソコンと言っているが、パソコンやPCという言葉は海外ではあまり通用しない。またノートパソコンと言っているが、海外ではラップトップコンピューターである。今では会社人間のひとりに1台が持っているこのコンピューター。約60年前にIBMがビジネス用途のコンピューターを世の中に出したわけだが、当然キー配列はアルファベットである。英語の単語で良く登場するアルファベットを見やすい、打ちやすい位置に置いたりして今の形になっているわけだが、日本人はそれに合わせている。物流面でいえば、海上コンテナやパレット。これもアメリカのシステムに我々日本人が合わせている。ビジネスでもUPSを手本にしたヤマトのように、アメリカのビジネスモデルをうまく取り入れて成長した企業は多い。
ネット上のコンテンツも、日本語の情報量は英語の10分の1に過ぎない。英語は約55%。日本語は5%。ほとんどの日本人は、ネットに存在する僅か5%の中で云々しているに過ぎないのだ。その他ロシア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語などはどれも日本語同様5%程度のコンテンツ量。本当に有益な情報は、日本語のコンテンツだけでは得られない。にもかかわらず、圧倒的な量の情報があふれているはずの英語で調べ物をする日本人はほとんどいない。難解なものは別として、日本人も英語のコンテンツが読めるようになったほうが良いのではないだろうか。
アメリカからは学ぶべきことはまだまだ多い。インターネットの普及で、現地に行かなくても情報だけなら得られるという環境ができたものの、英語のトレーニングをしてこなかった日本人はそのあふれる情報を得られないでいる。日本の英語教育をいくら受けても、話せもしないし、読めもしない。英語で会話ができない日本のオジさんらが作ったカリキュラムでは立ち行かないのである。真に役立つ英語力は、これからの物流にも必須だ。
(日本物流不動産株式会社 代表取締役 池田晃一郎 2015.09.05)
日本物流不動産株式会社:平成25年設立。倉庫賃貸をはじめ、倉庫や事務所等の商業用不動産の仲介、外国人向け物件紹介サイトの運営が主業。物流業務に役立つ「物流不動産英語塾」や高品質なメイドインジャパンのアジア向けEコマース事業も展開中。