3PLからLLPという新しい物流へ − 87 
3PL(サードパーティ・ロジスティクス)より高次のLLP(リード・ロジスティクス・プロバイダー)という概念が日本に入ってきた。
DHLがコニカミノルタホールディングスとLLP契約を結んだという(輸送経済4月16日付1面)。
LLPは、より良い3PL企業を選別する役割を担う。そこには荷主側にたって、物流施設の戦略やリードタイムの短縮、リードタイム短縮による在庫圧縮といったことも含まれる。
通常3PLを受託する場合、荷主から物流量や配送エリアなどは決められている。その中で、物流施設を選び、より効率的な物流を提供するのが3PLとなっている。LLPでは、その前提の設定から自由にできる。例えば、日本で物流施設を何拠点持てば効率化を図れるか?というところから提案できるのだ。
一方で、3PLの時と同じく荷主から正確な情報を手に入れられるかが問題だ。物流戦略を立てるにも、生産や販売の数値がなければ不可能だ。DHLの場合、コニカミノルタ物流を取り込んだため、情報は手に入りやすいと考えられるが、通常のLLP契約の場合は問題になるだろう。
また、今まで条件のある中で物流を請け負ってきた企業にとって、物流施設戦略から組み立て、荷主に提案するコンサル力も求められる。単なる物流のコスト削減ではなく、マーケティングも含めた、売れる時、売れる場所に商品があるという新たな次元の物流提案となるだろう。LLPは非常に高度な物流提案となるが、それができる企業が生き残ることとなる。