レストランに配送を増やす物流戦略 − 83 
先日、イタリア料理のファミリーレストラン「サイゼリヤ」の記事で面白いものがあった。現在の950店舗を5年後に1500店舗まで拡大するのだが、その拡大を支えるのが工場と物流戦略にあるというのだ。
ファミリーレストランの場合、ある程度の床面積が取れないと採算が合わないという。厨房に必要な機材を設置し、食材のストックも置かなければならないからだ。そのため、ある面積以下になると、フロアの厨房に占める比率が高くなりすぎ、十分な席数を確保できなくなってしまう。
そこで、サイゼリヤが考えたのが、工場での一括生産と店舗ごとの自動仕分けを行うといもの。工場で倉庫のように自動仕分けの機器が動いているのだ。さらに、物流面では工場から店舗への食材配送回数を“増やす”ことで、店舗の食材在庫を減らすことを狙う。店舗の食材ストックを置くスペースを減らすことで、客席数を増やし、今まで採算が取れなかった面積の店舗でも黒字になるというものだ。
通常、物流の効率化は在庫の最適化と配送回数の削減というところに落ち着く。しかし、サイゼリヤの場合、在庫の最適化と配送回数の増加によって、新たな収益を生み出そうという考えだ。