物流業界に営業改革は必要か? − 30 
営業改革で、一番のポイントとなるのが、名刺のデータ化だと言われている。これが、なかなかできない。特に、物流業界はITやシステムを活用するのが苦手なところがある。
例えば、営業マンが1000人の名刺を持っているとする。しかし、実際に連絡ができるのは何割だろうか?名刺交換から3年以上経ち、その間に一度も連絡していない人の情報が、今後のビジネスに役立つかというと、その効果はほとんど期待できない。営業マン一人の力では、せいぜい100人程度ではないだろうか?
データ化をすることで、その名刺を生かせることができる。定期的にメルマガなどを発行すれば、それだけで繋ぎとめることができるのだ。それが、会社の見込み顧客として、数年後も、“生きたデータ”として残る。
確かに、前職で記者をやっていたときに、数年で500~600人の名刺を持っていたような気がする。しかし、フォローができるのは、普段取材する会社の方のみ。生きた情報としては100人ちょっとぐらいで、他は“死んだ名刺データ”だった。惜しいことをしたと思う。
さらに、メルマガへの反応率を見るのも面白い。どんなビジネスの情報・企画を流せば、返事が来るのか?どんな書き方をすれば、返事が来るのか?それを試しながら、返信率や返信してくる会社の属性を見ていく。自然と自社の営業PR文章と顧客ターゲットが見えてくるという仕掛けだ。
物流業界で、顧客のデータ化をして、メルマガを発行など“見込み客をつなぎとめる”方法を取っている会社は、あまりない。その返信率までは、さらにだ。
だからこそ、物流業界の営業改革というのは、ちょっとやるだけでも効果が上がると思う。ただし、「自分でやるんだ」というやる気があればの話だが。
(了)