首都圏で285万平米の現実 − 81 
物流不動産の建設ラッシュが続く。特に首都圏で顕著だ。昨年、今年、来年の3年間で延床面積3万3千平方メートルを超える物件のみをピックアップすると、285万平方メートル以上が出来上がる計算だ。
ファンドだけでなく、ヤマト運輸や佐川ホールディングスなどの物流会社も大規模物流センターを建設しているのが特徴だ。土地価格が上がり始めており、バブルのにおいが出始めている。
免震などの地震対策の機能を設けているものもあり、既存物流施設を利用している会社に移転攻勢をかける。新型の物流施設は、集約によるコスト削減、地震時のBCP(事業継続計画)策定にメリットがある。
荷物が増えているわけではないので、供給された物流施設分、どこかの物流施設が空くことになる。今年、来年で多くの物流施設に空きが発生するのが目に見えている。
例えば、周辺が住宅地や商業地となってしまった倉庫街は、マンションへの建て替えの話が出てくるだろう。倉庫街の中で一つでもマンションができると、物流はやりにくくなり、その周辺の物流施設が次々とマンションになっていくような事態も考えられる。
このように、大型物流施設の大量供給で、現在の物流の姿は大きく変化していく。