展覧会 ブルーインフラがつくる都市―東京港湾倉庫論― 
7月5日から27日まで、第2東運ビル(WAREHOUSE Konan)1階の「Re-SOHKO GALLERY」で、「ブルーインフラがつくる都市―東京港湾倉庫論―」が開催されました。
主催したLogistics Architecture(ロジスティクスアーキテクチャ)研究会は、2018年から物流と建築、都市の変化を展望するフォーラムを定期的に開催してきました。今回は水運をテーマに取り上げ、来場者に東京という街の成り立ちと将来を考える機会を提供しました。
会場となった Re-SOHKO GALLERY には、模型など約20におよぶプロダクトが並びました。スクエアな展示空間内には「Personal Logistics city」「Warehouse Conception」「Water Infra-city」「Renovated Port Warehouse Conception」の4つのサブジェクトを各面に配置したゆるやかなゾーニングを構成。ブルーインフラというワードからシンボライズされた「地球儀」が会場中央に浮かび、ひときわ目を引きます。
今回の展覧会は、建築家で早稲田大学準教授の渡邊大志氏の理念を具現化したもの。「東京臨海論―港からみた都市構造史―」などの著作などがある同氏は、海や航路、湾、港、川、暗渠などをひとつにつなぐメタインフラを「ブルーインフラ」という言葉であらわします。前述の「地球儀」も、東京港と12の航路によってつながる世界各地の都市の海岸線を視覚化したもの。東京と水運とインフラを俯瞰する新たな視点の提示に、来場者は興味深そうに見入っていました。
初日の5日にはトークイベント&オープニングパーティーが、第2東運ビル(WAREHOUSE Konan)M2階の「Warehouse Market Tokyo『ENTREPOT(アントルポ)』」で開催されました。今回の展覧会を企画した建築ジャーナリスト・中崎隆司氏を司会に、前述の渡邊氏と東京大学教授で建築史家の加藤耕一氏が登壇したトークイベントでは、海からの視点を軸とした都市論が展開。建築やインフラの発達における「海」「水運」「港」の役割についての理解を深める時間はあっという間に過ぎ、トークイベント後のオープニングパーティーでも活発な意見交換が続いていました。
東京における物流と都市構造のかかわりを水運という切り口から見、マスタープランを提案して新たな東京のあり方を模索する。「ブルーインフラがつくる都市―東京港湾倉庫論―」は、ブルーインフラが持つ大きな可能性を世に問い閉幕しました。
Logistics Architecture 研究会
https://logisticsarchitecturestudygroup.com/